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2010/11/12

<在日社会>アジアがんフォーラム・がん対策で韓日中連携を

  • アジアがんフォーラム・がん対策で韓日中連携を

    アジアがんフォーラム

 アジア各国が協力して、がん対策の研究を進めようとスタートした「アジアがんフォーラム」が、東大現代韓国研究センターとの共催でこのほど、「第7回アジアがんフォーラム」を東京・駒場の東京大学先端科学技術研究センターで開催、韓日中と在日の研究者らが報告した。

 同フォーラムには韓日中の研究者など約250人が参加した。姜尚中・現代韓国研究センター長(東京大学大学院教授)が、「いのちの問題を通してアジアの連帯を深めよう」と報告後、放送タレントの永六輔さんや、崔吉城・東亜大学教授、真鍋祐子・東京大学教授らによる討論が行われた。

 真鍋祐子教授は、実母ががんで亡くなった経験をもとに、「がん予防、終末期治療、そして患者と家族の苦しみを少しでも減らすため、アジアの国々が経験を共有することは大切」と強調した。崔吉城教授は、「東アジア地域における家族愛、死生観をもう一度見つめなおし、病にどう向き合うか問い直そう」と話した。永六輔さんは、「患者と家族は大きな孤独と不安を抱えている。その気持ちを理解できる医者が必要」と訴えた。

 中野義昭・東京大学先端科学技術研究センター所長は、「アジアのがん発生率が他地域に比べて急増している。医学的、文化的研究を進めることは、大きな意義がある」と強調した。

 アジアがんフォーラムは、がんがアジアの貧困地域でも急増する中、国際的な課題としてどう向き合っていくか考える場として2004年に発足した。

 アジアがんフォーラムと現代韓国研究センターは今後5年間かけて、韓国・日本・中国を中心に、広範囲に食生活について調査し、がんとの関係を分析、予防や治療などに役立てていく。また喫煙習慣、住環境、死生観など暮らしや文化にかかわる研究も幅広く行い、がん予防の具体的プロジェクトを発表する計画だ。