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2010/12/28

<在日社会>新春メッセージ

  • 新春メッセージ①

            権 哲賢・駐日本国大韓民国特命全権大使

  • 新春メッセージ②

      佐々木 幹夫・日韓経済協会・日韓産業技術協力財団理事長

  • 新春メッセージ③

               鄭 進・在日韓国民団中央本部団長

  • 新春メッセージ④

              余 玉善・在日韓国婦人会中央本部会長

  • 新春メッセージ⑥

              権 東鉉・在日韓国人信用組合協会会長

◆韓日の新しい未来を 権 哲賢・駐日本国大韓民国特命全権大使◆

 韓日関係は両国政府と国民そして、在日同胞皆様の努力で、いつよりも円満で良好
な協力関係を維持しています。

 過去より一歩進んだ内容で評価を受けた菅直人首相の談話が発表され、李明博大統領は光復節の祝辞を通じて肯定的に応じ、韓日両国が過去のしがらみから脱し、未来へ進む転機を整えました。

 東京六本木ヒルズで「韓日祝祭ハンマダン」を開催、両国市民が言葉や文化の壁を越えて、ひとつになる場を作りあげました。このような雰囲気を受け継ぎ、新たな100年の元年となる2011年も韓日関係がさらに発展する年となるよう、皆が力を集めなければなりません。

 世界的な金融危機を克服した底力をうまく活用して、国運上昇の機会とすべきであり、これまで成し遂げた産業化と民主化をこえて、全国民がともによく生き、高い品格を備えた先進一流国家を建設するために心血を注ぐ必要があります。そのために国内外のすべての同胞が力と心を結集すべき時なのです。

 在日同胞社会の構造的な変化の中で、韓国語を使用することなどを通じたアイデンティティの強化とともに、次世代育成、同胞社会の和合と団結がどの時よりも必要なところであり、そのために皆様が関心と努力を持続するよう期待します。


◆真のパートナーへ 佐々木 幹夫・日韓経済協会・日韓産業技術協力財団理事長◆

 当協会は昨年12月に設立50周年を迎えました。日韓国交正常化以前より、長年にわたって、当協会は日韓両国の経済協力関係の強化・発展の為に、多くの困難を乗り越えながら、その役割を果たして参りました。また、最近では、日韓の高校生の交流を通じて次代を担う若者の相互理解・相互信頼を高める事業も行って参りました。

 一方、日韓両国企業がますますグローバルに事業展開し、殊に韓国企業の世界市場での活躍が注目を集める中、両国の経済協力関係は、もはや二国間の関係に留まらずグローバルな視点で捉える必要があると考えます。

 昨年11月には、韓国ではG20首脳会議が、また、日本でAPEC首脳会議が開催され、世界の注目を集めたところですが、今後、アジアの先進国である日韓両国が真のイコール・パートナーとして協働し、地球環境問題や資源・エネルギー問題などグローバルな課題に取り組み、日韓以外の地域及び国々の発展に貢献していくことが期待されております。

 本年4月の日韓経済人会議に於きましても、このようなグローバルな日韓経済協力関係を議論する予定であり、当協会と致しましても、新たな時代に入った日韓関係の更なる関係強化に微力ながら尽力して参る所存です。


◆新たな時代に飛躍を 鄭 進・在日韓国民団中央本部団長◆

 本年10月に行われる創団65周年事業は、民団がたどってきた足跡を再照明し、草創期から今日まで組織の発展に貢献した先輩諸氏の功績を改めて顕彰するとともに、今後の展望を切り開く知恵と力を結集するものでなければなりません。

 次代を担う若い世代に、団員であることの誇りとやりがいを感じさせるものでありたいと考えています。

 私たちは門戸を広げ、民団理念のもとで未来をつくる意欲があれば、多様な同胞たちを仲間として迎え入れるべきです。「ニューカマー」と呼ばれる韓国からの新規定住者は、民団との距離を縮めてきました。民団から疎遠になった同胞や、総連から離脱して行き場のない同胞たちにも、積極的に接近すべきです。

 任期中には少なくとも、財政運営の効率化をいっそう推進するほか、次世代育成を支援する基金の造成に着手します。

 昨年は日本による韓国強制併合から100年の年でした。しかし、歴史認識をめぐる葛藤が再燃することはなく、むしろ未来志向の思潮が盛り上がりました。経済をはじめ文化・スポーツ、地方自治体や市民間の交流が深化しました。こうした共生の流れを確かなものにしていきます。


◆次世代の育成を促進 余 玉善・在日韓国婦人会中央本部会長◆

 昨年1年を振りかえってみますと6月3日~7月13日まで全国大研修会、9月26~29日の本国研修会を通して、全員皆様に次世代育成を呼びかけ活動の一環として力を注いでまいりました。

 婦人会中央本部はもちろん、全国県本部支部でも若い世代が今必要とされている昨今これからも大きな課題を考え若い世代から見て尊敬され信頼される婦人会、魅力あふれる婦人会作りに力を注いでまいります。

 そして祖国韓国においてはリーマンショックから世界の中でいち早く立ち直り2010年11月11日世界首脳会議G20をアジアで初めて韓国ソウルで開催され、大成功裏に終わりました。私たちは成長した祖国韓国を誇りに思います。

 その反面、哨戒艦「天安」沈没事件、延坪島への無差別砲擊と北韓によって軍人、民間人が犠牲となり多くの方々が深い心の傷を負いました。

 私は一人のオモニ(母)として悲しみと怒りを感じております。

 私たちはこれからも尊敬され信頼される在日婦人会を目指し、たゆまぬ努力と祖国韓国とのかけ橋、世界平和に貢献、地域住民との文化交流にも日々邁進してまいります。


◆合併・統合を推進へ 権 東鉉・在日韓国人信用組合協会会長◆

 日本経済は、世界経済とともに緩やかな持ち直し基調が続いておりましたが、今年の半ばまでは、世界経済の成長減速による輸出の減少や、国内でも自動車、家電製品を中心に消費が落ち込むと考えられ、夏場までの軽度の調整局面を経て、それ以降は回復軌道に復し、景気は加速していくのではないかと言われております。

 金融面においては、日本銀行が実質ゼロ金利への利下げ等、包括的緩和策を打ち出しており、今後もデフレ脱却のための信用緩和を一段と進めていくと思われます。

 他方、金融庁は一昨年12月から本年3月までの時限措置である中小企業等金融円滑化法を来年3月まで1年間延長することとしました。同法については、一定の効果をあげている反面、金融機関が「隠れ不良債権」を抱え込むことになっているとの指摘もあり、厳しい経営環境下に置かれている中小金融機関、特に当協会会員組合は引き続きその対応に追われることになると思われます。

 このような経済・金融環境の中で、厳しい経営を強いられている在日同胞社会及び地域経済の活性化、特に、金融の円滑化のため尽力する所存であります。また、今後も合併・統合を進めていく考えであります。