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2011/02/25

<在日社会>ベルリン国際映画祭短編賞・韓国勢が金銀独占

  • ベルリン国際映画祭短編賞・韓国勢が金銀独占①

    パク・チャヌク氏㊨とパク・チャンギョン氏

  • ベルリン国際映画祭短編賞・韓国勢が金銀独占②

    ヤン・ヒョジュ氏

 第61回ベルリン国際映画祭の授賞式が20日に行われ、『JSA』『オールド・ボーイ』で知られるパク・チャヌク監督と実弟のパク・チャンギョン氏が共同演出した短編映画『波乱万丈(原題)』が、短編コンペティション部門最優秀作品賞の「金熊賞」を受賞した。さらにヤン・ヒョジュ監督の『壊れた夜』も審査員グランプリ部門の銀熊賞を受賞、韓国映画が短編部門を独占した。ベルリン国際映画祭は世界3大映画祭の一つとされる権威ある映画祭だ。               

 『波乱万丈』は、高機能携帯電話(スマートフォン)を使って撮影した30分ほどのファンタジー作品。秘密を持った釣り人とシャーマンの出会いを描いた異色の作品だ。

 パク・チャンギョン監督は「短編コンペティション部門には25作品が出品されていたので受賞は予想しなかった。デジタル技術は今後も急速に進歩するだろう。小さなカメラで撮影したような感覚だった」と語った。

 パク・チャヌク監督は、「すべてスマートフォンという特別な撮影過程を経た作品だったので、撮影スタッフに感謝を捧げたい。今回の受賞が、挑戦的な作品が次々と作られるきっかけになればうれしい」と語った。

 映画祭関係者は、「技術的な革新に加え、演出力、俳優の演技も優れていた」と述べた。

 『壊れた夜』は、ヤン・ヒョジュ監督が韓国芸術総合学校の卒業作品として作った短編だ。

 自動車保険の詐欺をして暮らしていた主人公が、実際に交通事故を経験することで、倫理的な悩みを感じていく物語。

 ヤン監督は、「韓国では現在、自動車保険の詐欺が大きな社会問題になっている。生活苦から詐欺に走る人も多い。貧困がその人の人生にどういう深刻な影響を与えているか、それを考えたかった」と会見で語った。

 さらに、「初めてシナリオを書いて同僚や先輩たちに意見を聞いたとき、女性で年齢も若いから、自動車に関連した映画を撮るのは難しいだろうと言われた。予算も多く必要としたが、運良く釜山映像委員会やソウル映像委員会の制作支援を受け、映画を完成することができた」と話した。

 ヤン監督は現在、長編映画を準備しており、「来年のカンヌ映画祭では長編を出して受賞したい」と述べた。