韓国映画・テレビドラマの日本ロケが活発化している。茨城への韓国人観光客増と文化交流促進を目的にした映画『君はペット』は、5月に茨城ロケが始まる。鳥取ロケを行った『アテナ:戦争の女神』は、韓国での放映に続き日本でも4月に放映が決定。鳥取では観光客受け入れ準備を始めている。
茨城県で5月にロケが始まる韓国映画『きみはペット』の制作発表会がこのほど、茨城空港(茨城県小美玉市)で開かれ、主演の韓国人俳優・張根碩(チャン・グンソク)と金ハヌルがあいさつした。会場には約3500人のファンが訪れて熱い声援を送った。
同映画の原作は日本の人気コミックで、恋愛下手なキャリアウーマンと彼女のペットになる青年のラブコメディー。2003年に日本でテレビドラマ化されている。
県内の企業経営者らが「茨城県ロケ支援委員会」を設立して韓国側に茨城での撮影を打診し、昨年12月にキム・ビョンゴン監督らが国営ひたち海浜公園(ひたちなか市)などを視察し、茨城ロケを行うことが決定したもの。茨城県もロケを積極的に支援する。
同委員会では、「映画をきっかけに韓国の人たちに茨城に旅行に来てほしい」と話す。キム監督は「公園や温泉など茨城の名所を美しく撮影したい」と語った。
鳥取県内27カ所で昨年撮影された韓国ドラマ『アテナ:戦争の女神』は4月22日からWOWOWで放映が始まる。同ドラマは韓国特別捜査部隊とテロ組織の対決を描いたアクション大作で、昨年9月のロケ時には鳥取県民約800人がエキストラで参加した。韓国では昨秋から今年2月にかけて放映されて好評を博した。鳥取県はロケ地を紹介する韓国語マップに加えて、日本での放映に合わせて日本語版ロケ地マップも作成し観光PRする計画だ。
韓国ドラマ『サイン』の尾道(広島)ロケは昨年12月に実施された。地元では「尾道韓国ロケ推進委員会」を発足させ、ロケ費用など約500万円を募金で集めた。同ドラマは、国立科学捜査研究所を舞台に、 広島で起きた事件を解決する人々を描く。韓国では1月に放映が始まり、尾道の美しい自然が話題となったという。
韓国ドラマロケ誘致を希望する日本の自治体は急増しており、今後も誘致合戦が繰り広げられそうだ。
また韓日両国でヒットした韓国映画『猟奇的な彼女』の中国版テレビドラマの制作が決まり、舞台を九州に設定して8日にロケが始まるなど、今後は韓日中を舞台にした映画・ドラマ交流も盛んになるとみられる。