在日韓国人信用組合協会の総代会が各地で相次いで開かれ、経営基盤強化に向けた取り組みなどを報告した。あすか信組は東日本大震災で東北地域の店舗が被害を受け、再建に取り組んでいる。
◆近畿産業信用組合◆
近畿産業信用組合(本店・大阪市、大本崇博理事長)は6月24日、第58期通常総代会を京都市内のホテルで開催。総代総数218人中194人(委任状85)が参席。
11年3月末の業績は預金8917億円(対前年比23・07%増)、貸出金4663億円(同14・38%増)。実質業務純益は49億5800万円(同14・3%増)、経常利益43億5400万円(同3・35%増)。純利益31億1700万円(同13・53%減)、自己資本比率は10・11%(同0・4%低下)となり、組合員は13万1613人と2万551人増えた。
今期は貸出金5300億円、実質業務純益51億円と計画案を決めた。
青木定雄会長は「京都シティーを引受けたとき預金85億円だったのが100倍に達した」と語った。
今後、普通銀行への転換を推進し営業エリアの拡大を図り、10年後には預金8兆円、貸出金5兆6000億円、120店舗を目指す。
◆あすか信用組合◆
あすか信用組合(李永植理事長)の第45期通常総代会が東京・新宿の本店で総代117人中101人(委任状48)が出席して開かれた。同信組は東北の被災地にも支店を置き、東日本大震災の影響を受けている。同信組の東北地域での取引規模は全体の約2割。かつてない厳しい環境にあるが、今期(11年4月1日~12年3月31日)も1億円の当期純益をめざしている。
李理事長は「大震災の影響で今期は厳しくなるが、東北の経済再建のため微力ながら全力で取り組みたい」と述べた。
諸議案は原案通り承認。決算は預金が前期比158億7900万円増の1920億6000万円、貸出金が35億8100万円減の1207億3500万円、当期純利益が1億5500万円減の2億1600万円。大震災の義援金5000万円を特別損失に計上。自己資本比率は前期の6・15%から6・24%に高まり、不良債権比率は12・13%から11・14%に低下。今期目標は、預金1930億円、貸出金1230億円と共に微増。
◆信用組合愛知商銀◆
信用組合愛知商銀(権東鉉理事長は6月24日、愛知韓国人会館で、第58期通常総代会を開いた。総代総数124人中106人(委任状53)と来賓、関係者が出席。
事業報告書(2010年4月1日から11年3月31日)によると、総預金815億5200万円(前期比3%増)、貸出金632億5500万円(同8%増)といずれも増加し、当期純利益は6億9800万円、自己資本比率は5・68%。当期未処理損失7億4680万円を処理したため配当は見送り。
権理事長は「来期は配当を出来るようにしたい」と述べた。任期満了に伴い役員の選任が行なわれ、権理事長以下役員は全員再任となった。
◆信用組合広島商銀◆
信用組合広島商銀(鄭義夫理事長)の第50回通常総代会は6月17日、広島市内の本店で開催。総代定数120人、出席総代120人(委任状56)。預金1337億6628万円(前年同期比4・31%増)、貸出金934億8628万円(前年同期比3・85%減)、当期純利益1億6216万円、自己資本比率5・78%となった。
◆九州幸銀信用組合◆
九州幸銀(呉龍夫理事長)の第55期通常総代会は6月27日、福岡市内の本店で開催。総代総数115人中77人出席(委任状41)。預金758億8400万円(前年比14・87%増)、貸出金533億7500万円(前年比11・1%増)、当期純損失1億2600万円、自己資本比率6・18%。
◆あすなろ信用組合◆
あすなろ信用組合(尹昌旭理事長)は6月28日、長野市内で第36期通常総代会を開催。総代数124人中100人出席(委任状50)。役員改選で新理事長に呉公太氏を選出。預金373億8808万円(前期比0・47%増)、貸出金290億6622万円(前期比0・84%減)、業務純益1億9943万円、当期純損失1億9448万円、自己資本比率5・55%。
◆信用組合岡山商銀◆
信用組合岡山商銀(李根善理事長)は6月17日、岡山市内の同本店で第49期通常総代会を開催。総代110人中82人(委任状24)。任期満了に伴う役員改選で、新理事長に梁炳玉氏(=前専務理事)を選出。預金208億6900万円、貸出金129億7700万円、経常損失2億1046万円、当期純損失2億3050万円、自己資本比率7・26%。
◆中央商銀信用組合◆
中央商銀信用組合(日高明次理事長)は6月28日、横浜市内の本店で第4期通常総代会を開催。総代数119人中107人出席(委任状61)。預金748億7300万円(前期比12・02%減)、貸出金492億5700万円(同13・76%減)当期純損失4億4700万円、自己資本比率4・38%
◆兵庫韓商第47期総会 宋玉植会長が再選◆
兵庫韓国商工会議所(宋玉植会長)は6月28日、神戸市内で第47期定期総会を開催した。金永俊・駐神戸韓国総領事や車得龍・兵庫民団団長ら来賓や会員、関係者120人が参席した。
役員改選では宋玉植会長が再任された。
宋会長は「変化を恐れず改革・改善に取り組み会員企業に役立つ経済団体として、変革を進めなければならない」などと述べた。
今年度事業として、組織基盤の拡大や会員企業へのサポート活動の充実、財政基盤の改善強化、東日本大震災被災地支援活動などを決めた。
◆愛知経友会と韓商定期総会を開催◆
愛知県韓国人経友会(朴茂安会長)の第48回定期総会が6月24日、愛知韓国人会館で開かれた。秋季研修旅行、新春年賀交歓会など会員相互の親睦、韓日文化交流事業支援、民族金融機関支援などの社会奉仕事業、名古屋韓国学校、同会奨学金制度の充実が活動方針としてあげられた。また東日本大震災被災者に500万円の義援金を伝達したことが報告された。
引き続いて愛知韓国商工会議所(張永植会長)の第32期定期総会が開かれ、経友会との連携強化、会員拡大、地方韓商との連携、財政の確立、近隣韓商との親睦と交流の推進などの活動方針が揚げられた。また東日本大震災被災者に200万円の義援金を寄付したことが報告された。
朴会長は「在日同胞企業にとって厳しい経済情勢が続いているが、会員拡大を積極的に進め、さらに青商との連携を深めたい」と語った。