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2011/12/02

<在日社会>韓国政府・従軍慰安婦問題の解決を

  • 韓国政府・従軍慰安婦問題の解決を

    92年1月8日に始まった第1回水曜デモ

 旧日本軍によって従軍慰安婦とさせられた女性に対する戦後補償問題が、改めてクローズアップされている。韓国政府は日本側に2国間協議の開催を要請し、状況によっては仲裁委員会の設置を提案する予定だ。一方、ソウルの日本大使館前で毎週行われてきた水曜デモが、14日で1000回を迎えることになり、世界各地で同時行動が予定されている。

 今年8月に韓国の憲法裁判所が、元従軍慰安婦らに対する賠償問題などを韓国政府が放置しているのは違憲と判断したことを受けて、韓国政府は9月15日、日本政府に対し賠償問題を話し合うための協議を提案した。

 しかし、日本側は「1965年の国交回復の際の請求権協定で、補償問題は完全かつ最終的に解決している」との立場を取っている。

 そのため韓国政府は10月7日、国際法に精通する大学教授や弁護士らで構成する法律諮問委員会を発足させ、国際仲裁の方法を検討している。

 国際仲裁判定団は、両国が1人ずつ選定し、その2人が裁判部を構成する。裁判部は第3の場所を選定する。有力候補はオランダ・ハーグにある常設仲裁裁判所(PCA)だ。韓国政府は今後、国連人権委員会などを通じて問題提起を行い、それでも日本政府が応じない場合は、国際仲裁に踏み切る計画だ。

 ソウルの在韓日本大使館前で開かれている元従軍慰安婦らによる「水曜デモ」は、92年1月8日に始まった。以後、20年近く行われ、12月14日で1000回目を迎える。それに合わせて、「日本軍『慰安婦』被害者に正義を!日本全国、世界各地で同時に行う韓国水曜デモ1000回アクション」が、世界各地で同時に行われる。

 日本では14日午前11時30分、東京・千代田区の日比谷公園をスタートし、外務省前を行進後、衆議院第2議員会館で午後2時30分から院内集会を行う。札幌、静岡、名古屋、大阪、広島、福岡など開催予定だ。

 海外では同日、米国、オーストラリア、台湾、ドイツ、フィリピン、カナダなどの日本大使館前で連帯デモが開かれる予定だ。これまで名乗り出た234名の被害女性は、高齢のため次々と亡くなり、生存者は現在67名となっている。