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2011/12/09

<在日社会>朝鮮王室儀軌100年ぶり返還

  • 朝鮮王室儀軌100年ぶり返還①

    国軍儀仗隊などが返還図書を護衛して行進

  • 朝鮮王室儀軌100年ぶり返還②

    返還図書1200冊のうち「李忠武公全書」㊧と「退渓言行録」

 植民地時代、日本に持ち出された「朝鮮王室儀軌」などの書物147種・1200冊が6日、韓日図書協定に基づいて、祖国に約100年ぶりに戻った。仁川国際空港では政府関係者が出迎え、国軍儀仗隊や音楽隊などによる歓迎式典が行われた。

 朝鮮王室儀軌は昨年8月、日本による植民地支配100年を迎えて菅直人前首相が発表した談話で、返還の方針を示し、引き渡しの手続きを行ってきた。10月に野田佳彦首相が訪韓した際には、同書物のうち5冊を持参し、韓日首脳会談の席上で返還していた。

 6日に返還された書物は、朝鮮王室儀軌類81種・167冊、奎章閣(朝鮮王朝時代に歴代の王の書画などを保管した官庁)にあった書物66種・938冊、「増補文献備考」(上古時代から朝鮮時代までの制度や文物をまとめた書物)2種・99冊、「大典会通」(朝鮮王朝時代に編さんした法典)1種・1冊である。

 朝鮮王室儀軌類以外は、韓国統監府の初代統監だった伊藤博文が持ち出したとされる。伊藤博文が持ち出した図書のうち、韓国歴代文物と制度を整理した百科事典『増補文献備考』など5種・107冊は韓国国内にない唯一の本と推定される。

 空港では、金讃・文化財庁長、朴錫煥・外交通商部第1次官、武藤正敏駐韓日本大使らが出席して、引き渡し式を行った。その後、ソウル市景福宮にある国立古宮博物館に移送された。

 文化財庁は、朝鮮王室儀軌が100年ぶりに祖国に戻ったことを知らせる「告由祭」を13日にソウル宗廟正殿で行い、その後、27日から来年2月5日まで国立古宮博物館で「帰還図書特別展」を開く。

 江原道の五台山史庫と月精寺で、国民歓迎行事の開催も計画されている。