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2012/01/20

<在日社会>外国人の健康守る・無料診療開設10周年

  • 外国人の健康守る・無料診療開設10周年

    外国人無料診療所10周年記念式典

 韓国・京畿道城南市にある外国人のための無料診療所がこのほど開設10周年を迎えた。チェ・ユングン所長はここで毎週日曜日、外国人のための無料診療を行い、10年間に4万5000人の無料診療を実施してきた。

 個人病院の院長であるチェ所長が外国人のための無料診療を決心したのは、米国での経験があったからだ。1974年から20余年の米国研修を積んでいる時に、医療サービスを受けられず苦しむ韓国の同胞を目にした。帰国したチェ氏はペク・ムヒョン院長(整形外科)、チョン・ヨンチョル院長(眼科)ら10余人の専門医と意気投合し、2002年に無料診療所を開設。車医科学大の大学院生や看護学生80余人が加わり、100人近い医療スタッフが交替で携わっている。

 無料診療所は年末年始などの祝祭日を除く毎週日曜日に開かれ、これまでに約4万5000余人が診療を受けた。内科、整形外科、神経外科、眼科、産婦人科に至るまで総合病院レベルの診療が可能で、城南市のみならずソウル市など他地域から訪れる患者もいる。城南市は毎年1000万ウォンに上る医薬品の支援を行ってきた。

 10年前は、外国人労働者や結婚で移住した女性が気軽に行ける医療機関は少なかった。こうしたなかで外国人の無料診療所が開設され、10年経った今は医療機関を超えて外国人の憩い場となっている。開設当初は東南アジア出身の外国人が多かったが、現在はほとんどが中国同胞だ。そのために、チェ所長は韓国放送通信大で中国語を学んだ。

 チェ所長は「無料診療を始めた10年前は、いつまで続けられるかと心配した。同僚の医師、後援者、ボランティアメンバー、そして常に励ましてくださる患者様のおかげで、今日を迎えることができた」と述べた。