アートを通して、多様な国際交流の場をつくる「対馬アートファンタジア2012」が、10月6日から12月10日まで、長崎県対馬市内で開かれる。対馬市と在日・韓国・日本の市民有志によるイベントで、昨年第1回が行われた。同イベントを前に、東京・銀座の東京画廊+BTAPで関係者による報告会が行われた。
在日3世の建築家、夫学柱さんは、「対馬は海から陸を眺める位置にある。アートを介した国際交流、地域振興の一助としたい」と語った。
約400年前の朝鮮通信使の足跡を日韓の若者たちとたどる「続・朝鮮通信使」を行っている池田修さん(バンクアート1929代表)は、「続・朝鮮通信使は今年が3回目となる。9月に東海道を中心に回る。アートファンタジアと連携したい」と話した。
伊東敏光・広島市立大学芸術学部教授は、「昨年のアートファンタジアで、対馬に漂流したサンダルを集めて通信使が乗っていた舟の模型を作るなど、新アート創造の機会になった」と述べた。
山本豊津さん(ギンザ柳々舎、東京画廊+PTAPディレクター)は、「現在すでに韓国人アーティスト3人が対馬に入って制作に取り組んでいる。対馬は古代の歴史が残された地で、とても面白い場所。多くの人たちに来てほしい」と強調した。
対馬市は、対馬の歴史資料を展示する「対馬歴史海道博物館」の建設や宗家文書の解読作業なども進めており、アートファンタジアの発展と合わせて、対馬を世界のさまざまな人が行き交う多文化共生の島にする計画だ。2013年には大規模なアートファンタジアを計画している。