多くの犠牲を出した東日本大震災から間もなく1年を迎える。震災発生直後から韓国、在日社会では被災者支援の声が巻き起こった。現在も復興支援の動きが続いている。一方、日本の市民団体などによる外国人被災者を支援するボランティア活動も継続されている。
韓国政府は、韓国人観光客の東北地方訪問を増やすことで震災復興に協力すべく、韓国観光公社が運営する観光施設「韓日観光交流センター」を12日にオープンする。
韓国側関係者は、「交流センターを通じて両国の観光、人的交流を促進させたい」と話す。
東北地方の観光名所、名物などを伝えると同時に、被災地の放射線量を正確に知らせて不安を払拭し、東北地方へのツアーを旅行会社とともに企画していく。
韓国から楽器の寄贈も行われた。アジアとの交流を行ってきた日本の音楽関係者による「東北の子どもたちにオーケストラのプレゼントを」との呼びかけに応え、韓国の有志から新品のバイオリン、ビオラ、チェロなど94台が贈られた。それらの楽器を使った花巻金星少年少女オーケストラによる復興コンサートが、11日に岩手県花巻市文化会館で開かれる。
在日団体では東京韓国青年商工会が2日、「For Smile 韓日友好チャリティーコンサート」を都内で開催。収益金を東日本大震災の遺児を支援する「あしなが育英会 あしなが東北レインボーハウス建設募金」に寄付した。
東京韓国学校は、同校生徒が描いた「被災者へ希望のメッセージ」と題した美術展を9日まで同校で開催後、11日に被災地の中学校に手渡す。
また京都の東本願寺では10日、在日韓国人団体やアイヌ民族の団体などで作る実行委員会が、被災者支援コンサートを開催する。
外国人被災者支援については日本の市民団体、キリスト教団体などが中心になって震災直後から、外国人被災者の実態調査、生活支援に取り組んできた。また仙台で共同シンポジウムを開催し、多民族共生社会につながる震災復興を訴えた。