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2012/04/13

<在日社会>日本各地で韓日交流盛ん

  • 申東燮・韓国文化院長

    シム・ドンソプ 1964年韓国江原道生まれ。88年高麗大学校卒。89年文化広報部勤務、01年文化体育観光部、08年国立現代美術館企画運営団長、11年10月駐日韓国大使館韓国文化院長。98年英エディンバラ大学法学碩士、09年東国大学校法学博士。

  • 日本各地で韓日交流盛ん

    静岡まつりに初めて参加した朝鮮通信使の再現行列

◆「韓流」「日流」の10年間 沈東燮・韓国文化院長◆

 私は92年から94年まで文化外交官として、当時は東京・池袋のサンシャインビルにあった韓国文化院で勤務した。当時は韓国文化や歴史の講演会などを開催しても、訪れる日本人はほとんどが年配の方だった。

 昨年10月に韓国文化院長として赴任して半年が過ぎたが、20年前を思い出すと本当に日本社会は変化したと感じる。

 その両国関係の変化を最も導いたのが、2002年のサッカーワールドカップ(W杯)韓日共催大会であったことは確かだ。韓日両チームが同大会に出場し、両国民は両チームを共に応援した。

 同大会を契機に、韓日の交流が加速度的に増え、04年には韓国ドラマ『冬のソナタ』が大ヒットし、日本社会に「韓流」が押し寄せた。また続く『宮廷女官 チャングムの誓い』のヒットで、幅広い層の韓国時代劇ドラマへの関心も高まり、『朱蒙』『イサン』『トンイ』など相次ぎ放映されている。

 この動きを第1次「韓流」とするなら、第2次「韓流」はK-POPの大ブームといえる。日本の幅広い層に、これだけK-POPが受け入れられたとは正直驚きだった。

 韓国の音楽学校では、選抜された10代の若者たちに厳しいレッスンを行う。海外進出を視野に入れて英語や日本語の訓練も行い、数年後に一人前となった歌手を市場に送り出す。最近では日本や東南アジアから入門する若者もいる。一方、日本では若い歌手がファンと共に成長していく。そこが大きな違いだと思う。

 文化コンテンツの世界化を進めてきた文化観光部では、第3の韓流として、韓国料理、伝統芸能、ファッションなどを広めるための戦略を練っている。ぜひ注目してほしい。

 一方、韓国では日本の食文化、小説、漫画、アニメ、ドラマなど幅広く親しまれている。韓国で翻訳される世界の図書の40%が日本の本という人気ぶりだ。アニメやコミックも多数紹介され、日本の作品と意識しないほど浸透している。まさに「日流」と言えるだろう。この文化交流は今後増えることはあっても減少することはないと断言できる。

 東日本大震災の被災者支援も大切な活動だ。K-POPスターに物品を提供してもらい、韓国文化院主催によるチャリティーオークションを3月に行った。その収益金370万円を持って、東北の被災地を申珏秀・駐日韓国大使と私が近く訪れて手渡す予定だ。韓国社会、在日社会が継続して被災者支援を続けていければと思う。

 韓日文化交流を見ると、いまが最も豊かな交流の時といえるのではないだろうか。02年W杯共催大会で大きく花開いた韓日文化交流が、さらに拡大・深化していくことを願っている。


◆朝鮮通信使行列再現など◆

 2002年サッカーワールドカップ(W杯)韓日共催大会を前後して各地で韓日交流が盛り上がり、現在も続いている。各地の活動を紹介する。

 静岡市で「第56回静岡まつり」がこのほど開かれ、そのハイライトとなる登城行列で、今年初めて朝鮮通信使行列が再現された。

 静岡市には、朝鮮通信使が江戸に向かう途中に滞在した清見寺があり、朝鮮通信使と関係が深い。2007年には朝鮮通信使400周年を祝う行事も開かれている。同行列は昨年参加予定だったが、東日本大震災の影響で中止になり、今年初めて参加した。

 民団静岡の団員と日韓交流を行う日本の市民グループ「AYUドリーム」らが中心に行列を構成して、市内を練り歩いた後、駿府公園に入り、大きな拍手を受けた。田辺市長は「朝鮮通信使行列には、これからも参加してもらって、祭りを盛り上げてほしい」と語った。静岡在住で朝鮮通信使が静岡まつりに参加するよう尽力した金両基さんは、「両国市民が協力して行列が再現できたことに大きな意味がある」と話した。

 韓国の木浦市と大分県別府市は、少年サッカーで交流を進めている。

 「別府市・木浦市少年サッカー選抜選手権大会in木浦」がこのほど、木浦市インターナショナルフットボールセンターで開かれ、別府市内の小学6年生の少年サッカー選手20人が、木浦の選手と交流試合を行った。

 少年サッカーの交流試合は2000年に始まったが、02年に別府市で交流試合を行った後、途絶えていた。今回、10年ぶりに交流試合が実現。今後も定期的に開催する計画だ。

 石川県小松市内の中学・高校生で構成する115人の小松市青少年吹奏楽団はこのほど、日韓親善演奏旅行を行った。

 親善演奏旅行は1979年に始まり、これまで韓国の大田市などを訪ねて演奏した。3年に1回のペースで、現在まで継続している。関係者は「80年代はまだ反対する人もいたが、W杯共催前後からムードが良くなってきた。今後も継続したい」と話す。

 昌原市と兵庫県姫路市の写真愛好家による「国際写真交流展」がこのほど、姫路市内で開かれ、両市の美しい自然や町並みなど130点が展示された。

 同展は韓日友好を目的に、2000年に始まった。毎年春に姫路、秋に昌原市で開催し、12回目を迎えた。今後も写真を通して相互理解を深めたいとしている。