「60―70年代の在日朝鮮人の実像―カメラマン金裕の写真展『同胞』から」が、東京・新宿の高麗博物館で開催中だ。戦後日本を必死に生きた在日1世の姿を知り、理解を深める貴重な写真展だ。
在日2世の金裕(1945~98年)は、19歳で在日の民族組織である雑誌社に入り、カメラマンとしての仕事を始めたのが1965年だった。韓日会談をめぐる取材が金裕の初仕事であったという。
それからの10年間、金裕は北は北海道から南は対馬まで全国津々浦々、在日のいるところを訪ねてかけめぐり、そこで多くの同胞にめぐり合い、子弟への教育、いつの日か故国への帰国を願ってたゆまぬ努力をする一世たちの姿に接した。
金裕は1991年、それらをまとめて写真集『同胞』として出版した。1枚1枚の写真には、在日同胞のさまざまな生きざまがみられる。
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