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2013/04/12

<在日社会>ドキュメンタリー映画『李藝 最初の朝鮮通信使』・朝鮮時代の外交官描く

  • ドキュメンタリー映画『李藝 最初の朝鮮通信使』・朝鮮時代の外交官描く①

    (左から)乾弘明監督、ナビゲーターのユン・テヨンさん、ナレーターの小宮悦子さん

  • ドキュメンタリー映画『李藝 最初の朝鮮通信使』・朝鮮時代の外交官描く②

    同映画より

  • ドキュメンタリー映画『李藝 最初の朝鮮通信使』・朝鮮時代の外交官描く③

                        李 藝

 韓国と日本の長い歴史に埋もれていた約600年前の朝鮮時代の外交官、李藝(イ・イェ)の足跡を通して、両国の友好を考える韓日共同制作のドキュメンタリー映画『李藝 最初の朝鮮通信使』(72分)が完成し、10日に都内で記念上映会が行われた。

 同映画は、韓国人俳優ユン・テヨンが、韓流ドラマやK-POPが人気の現在の日本で、かすかに残された李藝の軌跡をたどり、釜山から京都までを旅する。今はさびれた瀬戸内の小さな港町には、朝鮮通信使をもてなした交流の歴史が、現在もなお大切に残されている。

 同じ頃、駐日韓国大使館主催による朝鮮通信使の軌跡をたどるSNSリポーターの旅に参加した日本の大学生たちは、韓国で、知らなかった日韓の歴史に触れる。日本と韓国、たくさんの共通点もあれば、避けられない問題もある…。新しい世代の若者たちは、どう乗り越えていくのか問う。

 来賓あいさつで近藤誠一・文化庁長官は「知られざる歴史を両国で認識し、文化交流こそ相互理解につながることを実感してほしい」と話した。申珏秀・駐日韓国大使は、「李藝は私にとっていわば大先輩の外交官だ。この映画が両国の交流に貢献することを期待したい」と述べた。

 ユンさんは、「韓日交流のために自分もできることをしていきたい」と話した。

 ナレーターを務めた小宮悦子さんは、「触れあいを重ねることで信頼が生まれる。それが未来につながる」と強調した。
 
 乾弘明監督は、「両国で大勢の人に見てもらいたい」と話した。映画は日本で6月、韓国でも近日上映予定。

 ※李藝(1373~1445)は朝鮮王朝前期の官人、外交官。蔚山郡の役人で、足利将軍との交渉と倭寇対策などの功績があり、世宗大王の信頼厚く高い官職を歴任。8歳の時に母が倭寇に連れ去られ、生涯を通じて捜す。通信使・回礼使などで京都・対馬・壱岐・九州・琉球へ使行すること40数回。韓国政府は05年「文化人物」、10年「外交人物」に選定。日本では05年に李藝を顕彰する「通信使李芸功績碑」が長崎県対馬市峯町の円通寺に完成。