橋下徹・日本維新の会共同代表(大阪市長)が「過去の日本の従軍慰安婦は必要だった」と発言した問題について、韓国や在日社会で批判の声が高まっている。17日には元慰安婦のハルモニ(おばあさん)たちが来日して過酷な体験を語る。
趙泰永・外交部報道官は14日、「女性の尊厳に対する冒涜であり、歴史を歪曲する常識以下の発言であり、歴史を歪曲せず、過去の誤りを認めるべき」と批判した。
民主党・女性委員会は、「周辺国や日本国内からの非難にもかかわらず妄言を続ける橋下市長の認識は、非常に憂慮の恐れがある。橋下市長は直ちに妄言を謝って、自身の発言に責任を負う姿を見せるべきだ」と強く批判した。
さらに「日本は正しい歴史観の確立と共に、従軍慰安婦についての真相究明と公式謝罪、そして被害者に対する賠償措置を急がなければならない」と強調した。
在日社会や日本の女性団体からも批判の声が出ている。
在日と日本の女性有志が共同代表を務める「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンターなどは、「『慰安婦』を強いられた女性たちが心身に抱えた傷は深刻なもので、女性たちが受けた被害に対して、現日本政府が原状回復責任を負うことは、もはや国際的な見識となっている」と、橋下市長に発言の撤回を求めた。
「日本軍『慰安婦』問題解決全国行動共同代表の梁澄子さんらは、「日本軍『慰安婦』被害者を傷つけ、癒しがたい傷を負わせたことに対し謝罪すること」を要望した。
慰安婦問題の解決に取り組む韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)は15日、ソウルの在韓日本大使館前で記者会見を開き、元慰安婦の金福童さん(88)と吉元玉さん(86)が17日から6月2日まで日本を訪問し、証言集会を開くと発表した。
2人は挺対協関係者、日本の支援者とともに、「日本軍『慰安婦』被害者証言キャンペーン」と名付けられた証言集会で報告する。挺対協関係者はまた、「日本政府に対し被害者への公式謝罪と賠償の履行を約束し、将来世代に対する正しい歴史教育を求めたい。韓国政府に対しては、慰安婦問題を最優先課題に日本と交渉してほしい」と求めた。
主な集会日程は18日=広島・延広教会、19日=広島・留学生会館、23日=岡山・さんかく岡山、25日=大阪・ドーンセンター、26日=奈良・人権センター。また22日には東京の参議院議員会館で緊急院内集会が開かれる。