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2013/08/23

<在日社会>朝鮮通信使から学ぶ・「誠信外交」現代に生かそう

  • 朝鮮通信使から学ぶ・「誠信外交」現代に生かそう①

    「対馬アリラン祭り」など韓日交流の写真を撮り続けた仁位孝雄さんの写真が会場に展示された

  • 朝鮮通信使から学ぶ・「誠信外交」現代に生かそう②

    仁位孝雄氏㊧と仲尾宏氏

 シンポジウム「日韓交流の懸け橋・対馬―朝鮮通信使から学ぶもの」(長崎県主催)が21日、東京・領国の江戸東京博物館で開かれた。厳しい韓日関係が続いているいまこそ、約400年前の朝鮮通信使の「誠信外交」の精神に学び、韓日友好を築こうという趣旨で行われ、朝鮮通信使の研究者などから報告がなされた。

 対馬は、韓半島と九州本土との間に浮かぶ国境の島で、釜山までわずか49・5㌔である。豊臣秀吉の朝鮮侵略による両国の国交断絶は、対馬にとって死活問題だった。対馬藩は両国の間を奔走し、外交・文化使節団である「朝鮮通信使」の実現に尽力した。

 朝鮮通信使研究の第一人者である仲尾宏・京都造形芸術大学客員教授は「朝鮮通信使~江戸日本の誠信外交と交流」と題して報告した。

 仲尾教授は、「当時、朝鮮側は多くの民衆が犠牲となり農村は荒廃した。日本側も秀吉に出兵を強制されたため、全土が疲弊した。特に対馬は朝鮮貿易が途絶したため経済的苦境に陥った。早期の関係改善が必要だった」と話し、「大きな被害を受けた朝鮮側には日本への不信感が強かった。対馬藩に仕えた雨森芳洲は、相手を知り文化を理解することから始まると考え、相手の言葉を勉強し、朝鮮に何度も渡り、『誠信外交』を唱えた。その精神が今こそ必要だ」と強調した。


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