旅客船・世越号の珍島沖での沈没事故から１カ月半が過ぎた。合同救助チームは捜索作業を継続しているが、21日以降、新たな不明者を発見することはできていない。不明者は16人のままで、死者は２８８人となっている。救助チームは船体の一部を切断し障害物を取り除いて船内捜索を進める計画だ。

　行方不明者16人の家族らは27日、船体の崩壊などで捜索が不可能となった場所の船体一部を切断するという、政府の事故対策本部側の方針に合意した。

　家族らはこれまで、遺体流出の恐れがあるので船体の切断は受け入れない考えを表明していたが、対策政府側が船体付近に網などを３重に張る方針を示したことで、同意した。

　切断は４階の船尾から実施予定で、酸素アーク切断などの方法を使って行われる。対策本部は、４階の船尾の窓２カ所の約３平方㍍を切断する計画だ。気象条件によっては１週間以上かかる可能性もあるという。それ以降も、船内の障害物を取り除く作業には、さらなる時間が必要だという。

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