在日韓国人信用組合協会の第70回通常総会がこのほど開催され、新型コロナウイルス感染拡大による環境悪化が続く比率の中、収益基盤の強化、不良債権防止、自己資本比率の確保、人材育成などに取り組んでいくことを確認した。
総会は昨年同様にリモート開催され、呉龍夫会長(横浜幸銀信用組合理事長)、金哲也・あすか信用組合理事長、井上一成・信用組合広島商銀理事長、大原清二・信用組合愛知商銀理事長らが参加。
呉会長は「今後の金融機関の経営環境は、厳しさを増していくことは間違いなく、会員組合同士の協力が重要であり、協調融資や相互支援などが重要だ。会員4組合の強い結束のもと、引き続き在日同胞・地域経済を支えるために全力を尽くしたい」と挨拶した。
会員組合は、昨年3月からコロナ感染症関連の相談窓口を設置し、経営不振に陥っている取引先やその影響を受ける恐れのある法人及び個人事業主に対して資金繰り支援や既存貸し出しに対する条件変更などに取り組んできた。
総会報告では、国の補正予算措置で創設された感染症関連セーフティーネット保証の制度融資を取り扱い、今年3月末までに累計で746件を受け付け、111億円の実質無利子・無担保融資を行った。また、感染症関連の新規融資を3330件・2323億円、既存融資4181億円相当の条件変更を実施した。
日本経済はコロナ禍で中小零細企業の経営環境は厳しさが増しており、会員組合もこれを乗り切ることが重要だ。特に、ゼロ金利による厳しい融資競争が続く中、収益基盤の強化を急ぐことで一致。また、コロナ収束後を見据え、不良債権の防止対策を講じる方針だ。