在日には弱者の視点があり、弱者を代弁する力が備わっている。それ故に在日は多民族共生社会の「礎」になれる。在日とは何かを問い続けた在日2世が、次世代を生きる在日の糧になればと自らの生き様を語る。
日本社会の差別、80年代後半に渡韓し、ソウル生活で在日が故に浴びた不愉快な体験、両国の不仲で心を痛めたこと、両国を行来する中で独特な視点「複眼思考」を身につけるまでを振り返る。
著者は1947年、北九州市生まれ。拓殖大学卒業。韓国食品普及処「株式会社海龍」創業。現在は相談役。(朴仙容著、花乱社、四六判、188㌻、1500円+税)