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2003/09/26

<トピックス>故高円宮殿下が見た韓国 -第23回-

  • 高円宮妃殿下

                     高円宮妃殿下

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    張り替え用の瓦に込めたメッセージ。白インクで書かれた様々な国の言葉(仏国寺)

◆ 仏国寺の瓦 ◆

 張り替え用の瓦に込めたメッセージ。白インクで書かれた様々な国の言葉(写真:仏国寺・上)

 仏国寺(プルグクサ)後方の吐含山(トハムサン)の山頂近くに石窟庵(ソックラム)という石仏寺があります。実は是非いつか訪れてみたい、と前々から思っていたところでした。参道まで車で移動したので、9㌔㍍ほど舗装された道路を行きましたが、本来3㌔㍍の山道を行くものなのでしょう。

 新羅、景徳王10年(751年)に当時の宰相であった金大城(キムデソン)が仏国寺を吐含山の麓に、そして石窟庵を東面の山頂付近に造営しました。仏国寺は現世の親のために、石窟庵は前世の親のために建てたと言われているそうです。この石造建築は自然の岩盤を掘ったのではなく、花崗岩の石材を積み上げてドームを作り、その上に土を載せ洞窟のような形を作ったとのことでした。

 写真がないのは残念ですが、あの石仏の厳かな美しさはフィルムに納まるものではなく、記憶にのみとどめて置くほうが、かえって良いのかもしれません。

 石窟庵の前に礼拝所があります。そこから出て少し下ると、おばさんが寄進のための瓦を売っていました。お寺の屋根の瓦は定期的に張り替えなくてはならないのでいくらあっても足りないのかもしれません。いろいろな国の人が思い思いに白いインクで自分のすきなメッセージを書いた瓦がたくさん積んでありました。最初は何だかわからず、そばまで行って二人でしげしげと眺めてしまいました。張替えの際、字の書かれた部分は下になるので表からは見えないのだそうです。とは言っても、あまりふざけたことは書けないと思いますが……。

 ワールドカップ開催中ということもあったのでしょう。世界中のことばでメッセージが書いてあり、多くの方の平和を願う気持ちや家族に対する思いが伝わってきました。 嬉しいことに、『日韓友好』と日本語でかかれた瓦もいくつもありました。宮様は何枚かここで御撮りになりましたが、この写真ではベトナム語やアラビア語などで書かれたメッセージが見られます。この瓦の寄進、日本でもあるのだそうですが、とてもいいアイディアだと思います。(高円宮妃殿下)