◆ チャガルチ市場にて ◆
チャガルチ市場で働くおばさんたちと撮った記念写真。右端のおばさんが高円宮殿下に「腐っても鯛」と話し掛けてきた(写真:上)
釜山のチャガルチ市場で撮った記念写真です。
昨年のFIFAワールドカップは2001年9月11日、ニューヨークで起きたテロ事件後はじめての大規模な世界スポーツ大会であり、両国とも警備を万全に整えて挑みました。
わたしたちの韓国訪問もその厳戒体制の中で堅苦しいものになるのが当然のように思われましたが、宮様は「この機会にできるだけ多くの場所を訪れ、自由に韓国の方たちと触れ合えるようにしてほしい」と繰り返しお頼みになりました。
その甲斐あってか、嬉しいことにチャガルチ市場の視察などが盛り込まれたとても良い日程が作り上げられました。ここでも南大門(ナンデムン)市場とおなじようにアジュマががんばっていました。埠頭を背にしたあるお店を通りすぎようとした時、「腐っても鯛!腐っても鯛!」と日本語で声をかけられました。
アジュマが指している鯛を見ながらにこやかに「それ、腐っているの?」と聞かれる宮様。そしてあわてて笑いながら「いいえ、いいえ」と首を振る彼女。
まわりのお店の人も、大使館の人や通訳、警察官もみんな笑いの渦に呑み込まれ、とても和やかな雰囲気になりました。
この写真で宮様の右側に写っているのがそのアジュマです。となりのお店のアジュマもいっしょに入りましたが、エプロンとゴム手袋の色を合わせてなかなかおしゃれな装いです。並びのお店をざっとみた限りでは男性の姿は無く、女性たちが明るく元気にがんばっているのが印象に残りました。(高円宮妃殿下・写真:下)