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2003/05/30

<トピックス>故高円宮殿下が見た韓国 -第10回-

  • 高円宮妃殿下

                     高円宮妃殿下

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    韓国滞在中は、ロッテホテルのスイートを利用され、多くの方々との語らいの場となった

◆ ロッテホテルで ◆

 韓国滞在中は、ロッテホテルのスイートを利用され、多くの方々との語らいの場となった。(写真:上)

 今回の旅行では私どもを含め日本サッカー協会の関係者は2002FIFAワールドカップのオフィシャル・スポンサーであるホテル・ロッテに泊まりました。私たちはソウルでの開幕戦のほか、蔚山、釜山で試合を観戦したので、この三カ所のホテルでお世話になりましたが、ソウルのホテルは特に立派な建物でした。都心に位置していて、今年で創立25周年になるそうです。

 私たちは海外訪問中できるだけ多くのところへ行きたいと思うので、実質的にホテルのなかで過ごす時間は短いのですが、思い返すと今回はずいぶん多くの方にこのスイートでお目にかかったような気がいたします。

 まず、ワールドカップの開会式に出席するため韓国に到着された小泉首相と遠山文部科学大臣にお会いしました。私たちが総理と同時期に同じ国を訪問していることは通常ないので、この光景は普通あり得ません。

 また、同日開会式の直前にチェリストの羅徳成(ナ・ドクソン)氏にもお目にかかりました。同氏は2001年の第2回1000人のチェロコンサートに学生をつれて参加してくださり、また翌2002年3月の横浜とソウルでの日韓親善チェロコンサートでは韓国側参加者代表でいらっしゃいました。音楽家として、教育者として、日韓友好親善に努めて来られた方で、宮様も再会を楽しみにしていらっしゃいました。

 ユニセフ親善大使のロジャー・ムーア氏も挨拶に来てくれました。「007ジェームス・ボンド」のイメージそのものでした!今回のワールドカップからFIFAとUNICEFが協力してどの子もサッカーが楽しめるような世界にしていきましょう、という呼びかけをはじめました。とてもよい事だと思います。このときチェリストの鄭明和(チョン・ミョンファ)さんも夫で国際連合児童基金(ユニセフ)の駐日事務所所長と一緒に来てくださったのでお会いする事ができました。

 最後に、私がケンブリッジ大学で三年間一緒に勉強した友人、当時の駐国連韓国大使のご子息、と大学卒業後はじめて会えたのが、期待していなかっただけに、嬉しい思い出です。住所や電話番号もわからず、大使館や大使館員の知り合いを通じてやっと探し当てた友人は、年齢相応の貫禄が出ておりました。

 彼の目に私がどのように映ったかは存じませんが、社交辞令でお互いに「変わっていない」と言い交わしました。(高円宮妃殿下・写真:下)。