◆ 昌徳宮の極彩色 ◆
目のさめるような極彩色の屋根。朝鮮朝を代表する丹青装飾だ。その色使いは日本の建物にはみられない。高円宮殿下はその色彩感覚が良く出るようにクローズアップして撮影された(ソウル昌徳宮・写真:上)
韓国の王宮、昌徳宮は以前からいつか訪ねてみたいと思っていた所でした。1405年に朝鮮王朝第3代王の太宗が離宮として建設され、一度焼失したあと第15代王光海君が王宮として再建されました。ソウル中心部に位置していてユネスコ文化遺産に指定されているすばらしい建物です。
宮様は古くからの王宮のたたずまいに感心なさって、たくさんの写真をお撮りになりました。これは正殿である仁政殿の屋根です。この極彩色は王宮と寺院にのみ許されていたと伺いました。その豊かさ、あざやかさ、そして模様の細かさと屋根の流れるような曲線がとてもきれいでした。
仁政殿は昌徳宮の中でも一番大事な政治を司る正殿で、公式な行事はここで行われていたそうです。内部は吹き抜けになっていて、華麗に彫刻それた玉座があり、その後ろには王を象徴する太陽、王妃を象徴する月ほか山、松、滝などを描き、陰陽の調和と国土安泰の祈念を意味した日月五峰屏がありました。そして天井には鳳凰が刻まれていました。
日本から電球が輸入された時、ソウルで2番目に早くここで使用されたという説明を受けました。王宮が2番目だとすると1番目はどこだったのでしょう?(高円宮妃殿下・写真:下)。