昨年11月に急逝された高円宮殿下は、皇族として戦後初めて韓国を公式訪問されました。昨年5月29日から6月3日までの5泊6日の日程でソウルをはじめ、水原、釜山、蔚山、慶州などを訪れ、韓日共催のW杯サッカー試合を観覧する一方、仏国寺や水原華城、チャガルチ魚市場、サムスン電子の工場などを見学。写真好きの殿下は行く先々でシャッターを切られ、多くの人々との触れ合いがありました。今回、一緒に訪韓された高円宮妃殿下に殿下の撮られた写真の思い出を語っていただき、シリーズでお届けします。
◆ 南大門市場を歩く ◆
南大門の街角を歩く妃殿下(左側の後ろ向きの女性)。ここはソウルの中心部に位置し、その市場は食材の宝庫〔写真:上〕
ソウルの雰囲気を少しでも感じとるため、いろいろなものを見たいと思い、韓国到着の翌日(30日)に骨董品街の仁寺洞へ行きました。31日のFIFA World Cup開会式出席の前には短時間でしたが南大門へも行きました。南大門では、「韓国訪問の年」とあって、観光客向けに「南大門フェスティバル」の大きなプラカードがかかっていました。これがその写真です。
石畳の上には、いくつもの大きな台が出ていて、中央に座っている店主(?)がありとあらゆる雑貨を売っていたり、日本では見かけたこともない造花屋さんが3、4軒あったのが印象的でした。また、背の高い背負子にたくさん荷物を積んだおじいさんやおばあさんが、よいしょっと立ち上がり、力強い足取りで人ごみの中を歩いていく姿に、殿下は「すごいね」と感心していらっしゃいました。(高円宮妃殿下・写真:上)