◆ 両国国民が一つになって楽しもう ―― 権 哲賢 駐日本国大韓民国特命全権大使 ◆
韓日間の友好親善を深める「日韓交流おまつり2009 in Tokyo」が初めて9月19日(土)~21日(月)の連休期間中に六本木ヒルズアリーナと表参道で開かれます。
今回の催しは、今年2月の韓日外相会議で両国が開催に合意して行われるもので、東京とソウルでの同時開催で実現することになりました。
私は、駐日大使として赴任後、多くの在日同胞と触れ合う中で、母国を大切にし、愛する同胞たちの気持ちを肌で感じることができ、母国として何か応えなければならないと考えてきました。
それは、日本でわが同胞たちが韓国人としての自負心をもち、日本社会で仲良く暮らせる環境と雰囲気をつくることです。
そのためには、韓日関係が良好でなければなりませんが、わが同胞が日本人と一緒に楽しみながら、お互いを理解する場をつくる必要があると考え、今回の東京での交流おまつり開催を本国政府に強く建議した経緯があります。
韓国ではこうした交流おまつりが2005年から開催されてきましたが、日本で初めて開催されることは、両国関係が成熟段階に入ったことを示しており、東京での開催はただ祭りを行う以上の意味があります。
韓日両国は、未来指向的な関係構築へ向け多くの努力をしてきましたが、過去の歴史に起因した問題によって、こうした努力が失敗に終わってしまうことを幾度となく体験してきました。そうしたことを繰り返さないためには、何よりも両国の国民が一つになって楽しみ、互いを理解する場所が必要です。
まさに今回の祭りが、韓日両国国民、そして在日同胞が互いの文化を理解し共に楽しみ、理解する心と親近感を高め、両国間の友好的な雰囲気作りに大きな役割を果たすでしょう。
今回の祭りは、行事の趣旨に全面的に共感し、実行委員長を引き受けてくださった成田豊・電通最高顧問をはじめ、日本の各界要人、在日同胞、在日・駐日韓国企業が実行委員の職を快く引き受けて下さったおかげで開催できることになりました。
東京とソウルで同時開催される意味深い「日韓交流おまつり」が、韓日友好親善の新時代を開く契機になることを願ってやみません。どうぞ今度の連休は六本木ヒルズと表参道で繰り広げられる「日韓交流おまつり」をお楽しみください。
まつりの成功に向け、多大な支援をいただいた日本政府や韓日両国企業のみなさま、ならびに民団、在日同胞のみなさまにこの場をお借りして感謝申し上げます。
☆☆ ビッグイベントが目白押し ☆☆
「日韓交流おまつり2009 in Tokyo」は、本場のキムチづくりが体験できるプレイベント「キムチフェスティバル」に始まり、数百人が民族衣装に身を包んで表参道を練り歩くパレード、両国の文化団体による多彩な文化公演と続く。ペ・ヨンジュンなど韓流スターたちも映像を通じて祝賀メッセージを送る予定だ。興味津々のビッグイベントを時系列で紹介する。
★ 19日 キムチフェスティバル ★
今回のおまつりのテーマは、「つなげよう東京とソウル!つなげよう未来へ!」というキャッチフレーズを掲げている。同日(9月20日)、ソウルにおいても通算5回目の「韓日交流おまつり 2009 in Seoul」がソウル市庁前広場で開催される。
今回は東京で初めて開かれるイベントであることから、韓国からは文化交流の象徴性を込めた9つの文化芸術公演団及び人間国宝2名、そして、韓流スターを含む総勢140人余りが来日する。そこに日本の「よさこい」3団体と「阿波踊り」2団体、エイサー、無国籍音楽集団「上々颱風」、アジアトップを誇るB-BOY(ブレークダンス)チーム「ALL Area Japan」、東京韓国学校の伝統舞踊団等が加わり、文化と友情を分かち合う。
東京ではプレイベント(前日祭)として19日に、六本木ヒルズアリーナで韓国を代表する食べ物の一つ「キムチ」にスポットを当てた「キムチフェスティバル」が幕を開ける。21日まで3日間、同じ会場に常設されるこのイベントでは、100種類にもおよぶ多彩なキムチが実物と映像で展示される。キムチ名人による公開実演や試食会、クイズ大会、キムチ作りを体験できるコーナーが設けられ、参加者は自分で漬けたキムチを持ち帰ることができる。権哲賢(クォン・チョルヒョン)・駐日大使も19日午後、キムチ体験館で日本人と一緒にキムチ作りに参加する予定だ。
また、3日間にわたり、「ハングル体験コーナー」と「韓紙体験コーナー」が常設される。
会場のステージでは東京韓国学校舞踊団による「扇子舞、サムルノリ」や、韓日大学生の合奏、鄭明子(チョン・ミョンジャ)芸術団の「太平舞」「風物踊」などの交流公演が上演される。
★ 20日 ファンタジー・パレード ★
20日の午後2時から今回のイベントのハイライトともいえる「ジャパン・コリア交流ファンタジー・パレード」が表参道で行われる。韓国の伝統パレードの形を取りながら、韓国文化を紹介し、日本の文化と交流して友好を約束するという趣旨で、両国の文化公演団がパレードする。
隊列は、日本のおまつりチーム「よさこい」「阿波踊り」と韓国の文化公演チームを中心に構成される。
特に、韓国からの参加者と韓国人学校の学生らがボランティア出演する「王家の外出」は、華麗な宮廷衣装を身にまとった男女が朝鮮時代の王と王妃の外出行列を再現するファッションパレードが最大の見所だ。六本木ヒルズアリーナでは、午後1時から「韓Style2009 韓国歌謡コンテスト」が開かれる。これは韓国語を学んでいる日本人が韓国の歌で歌唱力を競い合うイベント。各地の予選を勝ち抜いたチームが参加する。韓流歌手への思い入れや、韓国に対する愛情をどれだけ表現できるかが勝敗を分ける。ここでは「韓国演歌の帝王」、ソル・ウンドがゲスト出演し、韓国演歌の生の迫力を披露する。また、ブレイクダンスのB-BOYチーム「Last For One」が世界大会を制した華麗な踊りを披露する。
そして、午後5時から、「韓日交流おまつり」の開幕式が始まる。パレード参加者が会場を一回りしながら、その場を清める地神踏みを行う。会場での安全と一連のイベントの成功を祈るパフォーマンスだ。
司会は、日本でも人気の歴史ドラマ「朱蒙(チュモン)」の主演級俳優であるキム・スンスさんと、日本人アナウンサーの宮本優香さんの両人。両国のVIPのお祝いメッセージと共に両国実行委員による開幕宣言があり、祝賀公演では韓国太鼓の大合奏公演団と日本の歌舞伎、能などの実力派の演奏団で構成された合同公演団の太鼓公演、そして新しい韓流の主役として注目されているSGワナビーの公演と続く。初の韓日同時開催を記念する意味を込め、ソウルと東京の両会場をライブ映像でつなぎ、両国の参加者全員が一体となって「カンガンスルレ」を踊りながら開会式を締めくくる。
開会式には、成田豊・日韓交流おまつり実行委員会委員長をはじめとする実行委員、韓国側からは権哲賢(クォン・チョルヒョン)・駐日大使、柳仁村(ユ・インチョン)・文化体育観光部長官、李相得(イ・サンドク)・韓日議員連盟会長をはじめとする議員団、金守漢(キム・スハン)・韓日親善協会会長ら協会幹部などが参席する。
開会式の後、韓国からは「鳳山(ボンサン)仮面踊り」とサムルノリ、ブレイクダンス公演、伝統歌舞楽劇「美笑(MISO)」が、日本からは「よさこいワールド」、阿波踊り公演などが披露される。
★ 21日 4テーマの「交流の場」 ★
21日は、韓日の伝統と現代が出会う「交流の場」となる。イベントは、▽韓日「深い趣『粋』」のハンマダン▽皆で楽しむ韓日交流おまつり▽韓日ユース・ハンマダン▽韓日友情のハンマダンという4つのテーマで構成されている。
韓国の伝統公演は、老若男女、貴族である両班(ヤンバン)と庶民の区別なく、丸い庭先(マダン)に丸くなって座り、才能のある人々が庭先の中に出て遊ぶ形式が主流だ。どこでも人々が集まれば公演場になり、誰でもその中に立ち入れば演技者になれる。今回の交流イベントも、丸い庭先のような舞台に観客の方々が膝を突き合わせて囲んで座り、出演者たちの呼吸を直接感じながら、共感し、拍手と余興などで自ら参加しながら楽しめる場となることが期待されている。また、公演の合間に、ぺ・ヨンジュン、パク・ヨンハ、リュ・シウォン、チェ・ジウ、イ・ビョンホンなど韓流スターの祝賀メッセージが上映される。
夕方7時30分から始まる閉幕式は、3日間で交した友情を確認し、次を約束する場となる。公式セレモニーに続いて出演者と参加者たちがキム・クムハ万神の主祭で大同祭が行われる。これは、「ドゥレ」という韓国の共同体意識が盛り込まれた風俗から始まったもので、韓日両国がお互いに助け合い、友好と協力の約束を守ろうという意味を込め、参加者全員のメッセージで装飾された「Hope Tree」(賞賛の木)を囲みながら、天に祈願し、皆の機運を集める神に供する食べ物を食べながら閉幕となる。
大同祭を執り行う巫女と参加者全員が楽しめるおまつりのハイライトであり、大いに盛り上がることだろう。
◆ 「日韓おまつり」開催にあたって ―― 文化庁 玉井 日出夫 長官 ◆
日韓両国の伝統芸能を中心とした文化交流事業である「日韓交流おまつり」が、東京で初めて開催されますことをお慶び申し上げます。主催者である日本側実行委員会の皆様の御尽力に、心より敬意を表します。
「日韓交流おまつり」は、日韓国交正常化40周年を記念した「日韓友情年2005」の記念行事として始まり、その後、毎年ソウルで継続して開催されてきました。去る2月の日韓外相会談における合意により、初めて東京及びソウルで同時期に開催されることとなりました。
「日韓交流おまつり2009」が成功裏に実施されることは、今後の両国間の文化交流・協力を推進する上で大きな弾みとなり、両国国民間の相互理解の一層の促進につながるものとして期待しております。特に、「日韓交流おまつり2009 in Tokyo」開催期間中の文化公演においては、韓国国立国楽院等により、太平舞、僧舞、春鶯囀(シュンノウデン)、朴秉千流「珍島太鼓踊り」という、いずれも韓国の重要無形文化財となっている伝統舞踏が披露される予定です。このような韓国の伝統的な文化に身近に接することが出来るのは、我が国の国民にとって貴重な機会になると考えています。
また、我が国からも伝統的な踊りや太鼓による公演が予定されています。お祭りを彩る両国の伝統芸能を通じて、韓国と日本の文化の共通点と相違点を感じながら、日韓のより一層の友好関係深化に思いを馳せたいと考えています。今後とも、日韓両国の幅広い文化交流が両国国民の友情の絆を深めていくことを祈念しています。
◆ 「信頼関係を構築」 ―― 日本側実行委員長 電通 成田 豊 最高顧問 ◆
この度、「日韓交流おまつり」を日本で初めて開催する運びとなりましたことを、心から嬉しく思っております。この事業は、日韓国交正常化40周年を記念した「日韓友情年2005」の事業としてソウルでスタートしました。その後、ソウルの地で毎年開催されており、今では日韓の文化交流・市民交流を代表する事業といっても過言ではありません。本年は、ソウルでの「おまつり」と合わせ、両国同時開催となります。「つなげよう東京とソウル!つなげよう未来へ!」をテーマに開催するこの「おまつり」が両国民の相互理解を促進し、両国の一層強固な信頼関係の構築に貢献するとともに、両国の未来を担う若い方々の手に引き継がれていくことを願ってやみません。
◆ 「友好のシンボル」 ―― 韓国側実行委員長 東亜製薬 姜 信浩(カン・シノ) 会長 ◆
本年で5回目を迎える「韓日交流おまつり2009 IN SEOUL」を開催できますことを心より嬉しく思います。
5回目を迎える本年は、ソウルと東京とで同時に開催します。これを受け、今年のテーマは「つなげようソウルと東京!つなげよう未来へ!」といたしました。ソウルと東京をつなげ、そしてさらなる未来に「韓日交流おまつり」の思いをつなげたいと思います。
今後も「韓日交流おまつり」が、どんな天候にあっても進むべき方向を教えてくれる灯台の光のような、韓日友好のシンボルとして育ってくれることを願っております。これからも温かく見守っていただければ、この上ない喜びでございます。