医療法人正信会及び社会福祉法人青丘(茨城県小美玉市)の金正出理事長が、茨城県つくば市に「青い丘保育園つくば」「青い丘保育園二の宮」とハングルアカデミー「カナタ韓国語学院つくば校」を4月に開設する。金理事長に話を聞いた。
――教育事業に取り組む思いは。
在日2世として民族教育を大切にしたいという願い、また日本社会の韓国理解、在日理解が深まるようにとの思いで取り組んでいる。保育園については、茨城にも外国人の子どもが増え、特につくば市には韓国からの研究者や留学生が多数生活している。みな子弟の母国語教育に頭を痛めている。韓国語教育を含め、多文化保育園の役割を担えればと思っている。カナタ韓国語学院は本校がソウルにあり、私設の韓国語教育機関として実績が最も認められている。日本では水戸、上野に次いで3校目となる。
今後は私の全事業の集大成として、文部科学省認可の中高一貫校を設立するため関係省庁と鋭意折衝中だ。韓国からも優秀な子を受け入れ、在日の子や日本の子と競わせ母国語と日本語それに英語を自由自在に駆使する強くたくましい生徒を育てたい。全寮制の新しい学校を目指している。
――在日の新しい共同体を提案しているが。
この間、ニューカマー(新規入国者)の韓国人が急増し、在日をしのぐ勢いだ。子弟が医学部に合格し医師になった人もいると聞く。これからの在日社会は、オールドカマーとニューカマーが力を合わせ、新しい共同体を作っていくことが望ましい。そのための活動にも取り組みたい。
今年は韓半島が日本の植民地になって100年。東西ドイツが再統一して21年になる。韓半島は地球上で唯一残った分断国家だ。南の李明博大統領と北の金正日国防委員会委員長の首脳会談が今年実現する可能性がある。再統一に向けた動きを、在日も注視しないといけない。