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2011/02/11

<トピックス>新時代ひらく交流・協力 第3回 韓日協力委員会活動の意義                                HISOFT 奇 秉泰 会長

  • HISOFT 奇 秉泰 会長

    キ・ビョンテ 1933年、韓国仁川市生まれ、ソウル大学卒。経営学専攻。釜山銀行大阪事務所所長、大韓空調(韓日合弁企業)社長を経て現在、HISOFT会長、韓国貿易協会理事、韓日協力委員会運営委員、韓日経済協会会員、PHP研究所友の会国際交流会副会長

  • 新時代ひらく交流・協力 第3回 韓日協力委員会活動の意義

    「新たな100年を迎える韓日協力」とのテーマで行われた第46回合同総会

◆見解の差縮めFTA交渉を◆

 1965年に韓日両国は国交を正常化した。

 しかし、両国は長きにわたり友好関係を築けなかったため、様々な分野で解決すべき問題が山積していた。

 韓日間に横たわる諸般の問題を円満に解決させるためには、両国政府の公式会議以外で、民間次元での接触と交渉、対話の窓口が必要だった。

 そんななか、両国政府の要人たちは数回にわたり接触を試みた。韓国側からは当時、共和党の重鎮である故・金成坤(キム・ソンゴン)氏と白南檍(ペク・ナムオク)氏、故・張基榮(チャン・ギヨン)元副総理、そして日本側からは故・岸信介元首相、故・佐藤栄作元首相、故・福田赳夫元首相が個別接触を繰り返した。

 その結果、1969年2月12日、東京の経団連会館で韓日協力委員会と日韓協力委員会が共同で設立総会を開催し、韓日協力委員会が正式に発足した。

 韓日協力委員会の設立目的は、▽両国の政治、経済、社会、文化などの諸問題に対する情報の収集・分析を通じて正確な認識を持つこと▽相互理解と両国民の交流を促進し、友好親善と相互協力を増進させることである。

 韓日協力委員会はこのような目的を達成するため、▽韓日間の諸問題に対する協力推進▽次世代の指導者及び元老知識人の交流▽韓日協力方案開発のための講演、懇談会、シンポジウムの開催▽韓日合同総会及び合同幹部会の開催▽韓日両国間の理解増進と友好協力関係の発展方法を提示する会誌の発行・配布など、多様な事業を展開している。

 筆者が運営委員を務める同委員会の現会長は、南悳祐(ナム・トク)元国務総理である。日韓協力委員会の会長は中曽根康弘元首相だ。

 第46回合同総会は、「新たな100年を迎える韓日協力」というテーマで、2010年12月6日にソウルで開催された。経済分野のテーマは「韓日FTA交渉の懸案と解決方向」。韓国側の発表者は金都亨(キム・ドヒョン)元啓明大学校教授で、日本側は石毛博行・経済産業省顧問だった。韓国側の討論者は、金東煥(キム・ドンファン)・韓国金融研究院先任研究委員で、日本側は財団法人世界平和研究所の吉岡孝昭主任研究員だった。

 韓日FTA締結のための政府間の協商は2004年11月の6次協商を最後に、6年間も中断していた。そして、再び協商するための接点を探せないまま、それぞれが現在も、他の国や地域と独自的なFTA戦略を進めてきた。

 この状況を打開しようと2010年5月、FTA交渉再開のための事前協議レベルをもう一段階格上げすることに合意し、同年9月に韓日FTA交渉再開のための高位事前実務会談が開催された。

 しかし、事前に解決しなければならない問題点が多く、韓国側は①韓日間の貿易不均衡②国内の製造業基盤の瓦解③日本の非関税障壁の存在などを問題視した。

 一方、日本側は①鉱産品関税の全面撤廃要求に対する韓国側の消極的態度是正②韓国側の日本農水産物とサービス市場の実質的開放と人力移動の自由化要求③韓国側の高級技術移転と産業被害補償要求などを韓国側に提示した。

 つまるところ、日本側の農産物市場開放反対と韓国側の商品分野(特に自動車分野)全面開放反対で協商がうまくいかず、両国間の立場の差を埋められなかったことが決裂した主な理由だ。

 これからは、協商する前から見解の差を縮め、解決方法を事前に調節する必要がある。合同総会の共同声明でも言及されていたが、FTA交渉がいまだに進展していないのは、韓日両国にとって有益ではない。

 FTA締結は、両国の経済的繁栄と関係発展のためにも必要なことだということ、さらには東北アジアの経済統合にも大きく貢献するという認識を持たなくてはならないだろう。