韓国観光公社など関係機関の資料によると、昨年に韓国を訪問した日本人は302万3000人で、外国人入国者のうち日本人の比率が1位を占めている。一方で、日本を訪問した韓国人も、外国人のなかで1位を占めている。
韓日間の航空便は40余路線に達し、運航は週450回を超えた。不定期便及び金浦-羽田間のシャトル便を除いた回数である。両国の企業家がよく利用する金浦-羽田間シャトル便の運航回数も、週80回となっている。訪日した韓国人は昨年244万人に達し、両国を行き来する人は1年間で500万人を超える。
参考までに韓国の人口を5000万人、日本の人口を1億2700万人とした場合、両国は人の往来だけをみても一衣帯水の国家と言える。
3月11日に発生した東日本大震災は、福島原子力発電所の事故によって世界の関心事となっている。世界の原子力史上で最大規模の事故であり、隣接する発電用原子炉4基の同時崩壊や制御しきれない莫大な放射性物質などは日本だけの問題でない。世界の今後の原発方向に大きく関係し、韓国は一衣帯水の国家としてエネルギー安保に深い関心を持つようになる。両国が共同で解決するべき課題とも言える。
そのような意味から東京で6月6日に開かれた第47回韓日・日韓協力委員会合同総会で、政治分野のテーマ「東北アジアの原子力発電と技術協力」と経済分野のテーマ「東北アジアのエネルギー問題と韓日協力」は非常に適していた。
現在、原子力安全協力には、韓日中3カ国で施行されている「韓日中 原子力安全規制責任者会議(TRM)」と「韓日中 原子力安全情報交換会議」がある。
TRMは、韓日中3カ国の原発安全部門の代表的協力体だ。韓日中の原子力安全の主要問題に対する意見交換及び情報交換で東北アジア地域の原子力安全能力を向上させ、原子力安全協力の推進体制を構築するための協議体で、08年に第1回会議が開催された。
韓日間が原子力発電や安全規制などに関する情報共有ネットワークを確立し、原発関連事故時の緊急対策などに関して協力すれば、IAEA(国際原子力機関)を通じた協力よりも相対的に具体的協力を可能にする地域間協力が迅速に行われるだろう。
一方、韓日両国の石油消費は世界上位グループに入る。石油資源がほとんどなく、韓国は世界第3位の石油輸入国、日本は第5位を占めている。経済発展によってGDP(国内総生産)と所得が増え、エネルギーの輸入と消費も増える。現在、韓国は全体エネルギー消費の96・8%を輸入に依存し、日本もこれに等しい。この1次エネルギーの大部分は、再生不可能な化石エネルギーだ。そのために、地球上で枯渇していることが深刻な問題となっている。
我々が使用している石炭、石油、天然ガスなどの化石エネルギーは、無限に存在するものではない。人類の現在の消費量を基準にすると、石油は今後40年、天然ガスは60年程度しか使用できない。ここで韓日がエネルギー問題の解決策として、エネルギー富国である中国とロシアを合わせた東北アジア4カ国の協議機構の構想に対する論議が必要となってくる。
特に、第47回韓日・日韓協力委員会の合同総会は共同声明を通じて、東京で最近開催した第4回韓日中サミットで3カ国間の「再生可能エネルギーとエネルギー効率の推進で持続可能な成長への協力」の拡大・発展は望ましいとの認識で一致し、これに関係して同総会は韓日エネルギー共同体構成に関する提案を今後継続して検討すると発表した。エネルギー問題には、企業も積極的に参加しなければならない。今年末、国際標準化機構(ISO)は新たなエネルギー経営標準であるISO50001を発表する。ISO50001は、エネルギー使用節減、エネルギー源経営の透明化、エネルギー管理効率性の向上などを包含している。
地球は試練の時期にある。神は、自身が設定し、愛する者に逆境を与えて鍛錬させ、試験し、訓練させる。火は金を鍛錬し、不幸は果敢な者を鍛錬させる。―セネカ(Seneca)古代ローマ哲学者―