韓日両国の経済交流に貢献した人士に対する日本政府の勲章授与式が、先月ソウルで行われた。
韓日経済協会の許南整・元専務理事が、同協会に27年間勤めた労苦に対し、日本大使館の大使官邸で武藤・駐韓日本大使から直接受勲した。筆者も参席し、祝賀した。
受勲した旭日小綬章の意味は、様々な韓日経済交流事業の振興だ。例えば、両国の経済人が両国の貿易・投資の活性化方案について年に1度議論し、部品素材産業の韓日協力強化の協議などにも寄与した。
だが、より重要で意義ある未来志向的な事業は、両国で年2回開かれる高校生交流事業だ。これは、勲章に大きな意味を持たせると考えている。
この事業は、未来指向の韓日関係構築をめざした人材交流の一環としてスタートした。将来に両国の経済界を導く青少年に対し、交流の機会を提供するものだ。これを通じて相手側に対する理解増進とともに、両国間の友好関係の定着を目的としている。2004年、「韓日高校生交流キャンプ」の名で始まった。
このキャンプは両国の全地域から申請を受け付け、それぞれ50名程度を選ぶ。4泊5日間を合宿形式で共同生活し、両国混合チームも構成。彼らはソウルの明洞を中心に市場調査し、両国の文化、商慣習、流行などを考慮し、新しい事業計画を発表する。
この発表でみられる特徴の一つが、市場調査で時代の感覚に合った事業モデルを探しているという点だ。最優秀賞を受賞したのは、情報提供サービス事業チームだ。患者に最も適合する病院へ最短時間で移送できるよう、救急車に情報を提供するシステムだ。医療市場が今後とても有望であることに着目し、この分野に情報産業をつなげる事業だ。
SNS(ソーシャルネットワークサービス)やツイッターなどソーシャルメディアが世界に広まり、米国のフェイスブックは120カ国以上でSNSの先頭を走っている。
情報産業が最も重要とされる現代、彼らはアジアのグーグルやアップルを夢見ただろう。
市場調査の過程で目立ったのは、言語の壁を超えた協同性だ。一つの目標に向かって進み、目で意思を疎通し、以心伝心で分業化しながら役割を果たす。
両国の企業を比較すると、韓国はオーナー体制で中央集権的、日本は専門経営者中心で事業部制であるとの声が多く聞かれる。また、韓国企業の意思決定は迅速であるが、日本は慎重で遅いという。だが、キャンプに参加した韓日高校生は、市場調査で迅速な意思決定を行っていた。
また、互いが協力するなかで相手から学ぼうとした。学ぶ目的には相手に負けたくない気持ちもあるだろうが、ここでみられたのは強い協力精神だった。
このような現象は4泊5日間、継続的にみられた。初日の夕方の事業アイテム構想時や、2日目に市場調査を一日中ともにしながらも表れた。また、市場調査後に宿舎で事業アイテムを決定する時も如実に表れた。時には意見の差異もあるが、同じ目標を追求する時、協同性は真価を発揮した。
4日目には、10チームが事業を発表。様々な道具とパワーポイントを使用し、カラフルな色で自らのチームをアピールした。
厳しい審査の後、受賞者が発表された。入賞したチームも入賞できなかったチームも、受賞チームが発表される度に感動しながら抱き合った。皆が一つになったのである。そこに、国境はなかった。友情だけが存在した。
いま韓日両国は互いの必要性を認識し、協力体制を構築する時期だ。両国は、東アジアの経済活性化に向けて積極的に協力しなければならない。そこで両国の共同発展に希望をみせたのが、今回の第17回キャンプだ。国境を超越したベンチャー企業の可能性が確認できた。
“地中海は過去の海、大西洋は現在の海、太平洋は未来の海”ということを聞いた。また、昔の言葉に”速く進みたいならば一人で、遠くまで進みたいならば一緒に行くべき“というのがある。