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2012/03/30

<トピックス>ソウルが一大外交舞台に

  • ソウルが一大外交舞台に①

        核安保サミット会場でのオバマ米大統領㊨と李明博大統領

  • ソウルが一大外交舞台に②

           抱き合う中国の胡錦濤主席㊧と李明博大統領

 米中ロを初めとする各国首脳が訪れたソウルは、主要国首脳による一大外交舞台となった。24日から29日にかけて約250回も2国間首脳会談が行われた。賓客を迎えた李明博大統領は26カ国・機関の代表ら27人と連続で会談、過去最高の首脳会談記録をつくった。一連の会談では北朝鮮の「ロケット発射計画」に対して懸念が表明された。

 李大統領は25日、オバマ米大統領と会談。両首脳は、北朝鮮が長距離弾道ミサイル発射とみられる衛星打ち上げを予告している問題について、「世界平和を脅かす挑発行為だ」とし、発射計画の即時撤回を求めた。

 オバマ大統領は首脳会談に先立ち、板門店の非武装地帯を訪問。「ロケットを発射すれば食糧支援を行わない」考えを表明した。だが、米国は北朝鮮を敵視しないと呼びかけた。

 韓米首脳は、韓国野党が「破棄」を掲げている韓米FTA(自由貿易協定)について、実施状況を点検する閣僚級の共同委員会の設置にも合意。

 中国の胡錦濤主席との会談は26日行われ、胡主席はロケット発射計画に深い懸念を表明し、発射をやめさせる努力を続けると明らかにした。脱北者問題に対しても、人道的な原則に基づき、緊密かつ円滑に処理することで合意した。

 また、両首脳は両国の懸案となっている離於島問題解決のため、EEZ(排他的経済水域)の境界画定交渉を早急に推進することにした。

 ロシアのメドベージェフ大統領とも会談。ロシアは複数の外交ルートを通じて北朝鮮指導部に憂慮の念を伝え、計画の撤回を求めていることが明らかになった。

 両首脳は、シベリア開発事業について、ロシアのウラジオストクの再開発事業などに韓国企業の参加問題も協議した。ロシアから北朝鮮経由で韓国に天然ガスを供給するパイプライン建設プロジェクトについては、協議継続を確認した。

 27日に会談したオーストラリアのギラード首相は、ロケット発射は国連安全保障理事会決議に反するものだと懸念を表明。両首脳は、エネルギー・資源、気候変動、グリーン成長、FTAなど両国の懸案を話し合い、企業間の協力事業に向け連携を続けていくことで一致した。

 28日にはファンロンパイ欧州理事会常任議長(EU大統領)と首脳会談。同議長はロケット問題以外に北朝鮮人権問題に懸念を表明、人権状況改善に向け真摯な努力を行うよう求めた。

 両首脳は、昨年7月に発効したFTAについて「貿易が拡大した」と評価し、完全な履行が双方の企業・消費者の利益になるとの考えで一致。今後、定期的に首脳会談を行うことで合意した。

 李大統領はこのほかに多くの国の首脳と会談を行い、ロケット発射計画以外にさまざまな協力関係強化に合意した。

 イタリアのモンティ首相との会談では、来月に予定されている二重課税防止協定改正とワーキングホリデー協定締結を契機に両国間の人的交流拡大に合意。

 カザフスタンのナザルバエフ大統領とは、両国間の戦略的パートナー関係、経済協力強化などで一致。企業家の投資や活動がスムーズに行われるよう「一時的勤労協定」の早期締結で合意した。

 タイのインラック首相とは、昨年は過去最高の139億㌦を記録した両国間貿易を16年までに300億㌦に拡大することで合意した。特に、大規模自然災害に備えるため、タイの水資源管理システム構築に向け協力することになった。

 ヨルダンとの首脳会談では、アブドラ国王が、韓国企業の進出がヨルダンの発展に寄与することに期待を示し、経済開発の経験を共有するなど多様な分野での協力拡大を希望した。

 チリのピニェラ大統領とは、FTA締結など50年にわたり両国間の友好・協力関係を発展させてきたことを高く評価。今後は、資源・インフラ分野での企業間協力で合意。

 南アフリカのズマ大統領とは、原子力分野での協力推進で合意した。有煙炭やクロム、レアアースなどの鉱物資源開発や電力事業での両国企業間の協力も積極的に支援していくことで一致した。また、国交20周年を迎え、相互に理解と交流を深めることで合意した。

 UAE(アラブ首長国連邦)アブダビ首長国のムハンマド皇太子とは両国が進めているUAE内の原子力発電所建設事業について緊密に協議。

 このほかにインドのシン首相や国連事務総長などとも会談した。