ここから本文です

2013/06/28

<トピックス>企業の海外移転が加速化

◆全経連報告書・韓国経済の空洞化懸念◆

 全国経済人連合会(全経連)が最近、企業の経営環境の悪化で生産拠点の海外移転が加速化する韓国経済空洞化の可能性を提起した。全経連は報告書「韓国経済の空洞化が懸念される7つの兆候」を発表した。

 全経連は増税をはじめ、過度な企業規制、急激な円安による海外生産拠点の拡大懸念、高い生産コスト、企業への反感、硬直した労使関係などを主な兆候として挙げた。

 法人税については、最近の英国、米国、北欧などの先進国が企業競争力向上のため継続的に法人税を引き下げている中、韓国では既に法人税率引き上げを主な内容とする法人税法改正案が発議されたことなどについて懸念を示した。英国は2007年に30%だった法人税率を昨年24%まで引き下げ、14年には22%まで下げる予定だ。フィンランドも来年、現在の24・5%から20%に引き下げる。しかし、韓国では、民主党と統合進歩党が法人税率を現在の22%から、それぞれ3%、8%引き上げる改正案を発議した。昨年、世界経済フォーラム(WEF)が調査した世界競争力評価で韓国は142カ国中、政府の規制負担分野で114位、法体系効率の分野で96位にとどまるなど、企業規制が深刻と指摘した。

 実例として11年にあった米グーグル初のアジアデータセンターの誘致失敗を挙げた。1億2000万㌦の投資効果をはじめ、アジアのインターネットセンターという象徴的な効果が大きかったため、政府も国内誘致のために水面下で誘致に動いていた。しかし、グーグルはシンガポールを選択した。その後のデータセンターも、香港と台湾に決めた。香港と台湾はこれで、それぞれ3億㌦と1億㌦の投資を誘致した。韓国は強固なインターネットインフラと安価な電気料金にもかかわらず、これらアジア各国との誘致合戦には敗れた。グーグルは理由を説明しなかったが、IT業界では、税制上の優遇、企業規制などが競争力の妨げになったと分析されている。


つづきは本紙へ