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2014/06/13

<トピックス>私の日韓経済比較論 第41回 輸出から内需へ                                                    大東文化大学 高安 雄一 教授

  • 大東文化大学 高安 雄一 教授

    たかやす・ゆういち 1966年広島県生まれ。大東文化大学経済学部社会経済学科教授。90年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、00年在大韓民国日本国大使館二等書記官、00~02年同一等書記官。内閣府男女共同参画局などを経て、07~10年筑波大学システム情報工学研究科准教授。2013年より教授。

◆現実的でない依存体質転換対策◆

 韓国経済は欧米経済に大きく依存している。通貨危機から回復した1999年以降の景気後退のきっかけを見てみよう。02年12月から05年4月まで続いた景気後退は、カード大乱による消費委縮により引き起こされたが、それ以外の景気後退はすべて欧米、特にアメリカの景気後退が原因である。

 外国の景気に国内景気が左右されてしまう理由としては、GDP(国内総生産)に対する輸出比率が高いことを挙げることができる。輸出比率は90年代中盤まで15%前後で推移していたが、02年には30%、06年には40%、11年には50%を超え、13年は57・1%に達している。このような経済の輸出依存体質により、韓国景気が外国に依存していると言えるが、この状態から脱却するためには内需拡大が必要であるとした主張がある。

 今年早々に公表された「経済革新3カ年計画」では、9つの課題の一つとして「内需(消費)基盤拡大」が掲げられており、個人消費や設備投資の拡大を図っている。そしてここからは、韓国政府が経済の輸出依存を構造的問題として捉え、「輸出から内需への転換」を意図していると考えられる。

 しかし、「輸出から内需への転換」といった発想自体が大いなる誤りであり、個人消費や設備投資の拡大は短期的な景気対策としては有効であるが、韓国経済が外国の景気に左右される構造の改善にはつながらない。


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