◆朝鮮時代の女性の姿、生き生きと◆
朝鮮半島の伝統的な風習では、旧暦5月5日の端午節は、田植えと種まきが終わる時期に山の神と地の神を祭り、秋の豊作を祈願する日で、ことしは6月2日がその日に当たった。
端午節の伝統的な風習といえば、菖蒲湯で髪を洗い、女性はクネティギ(ブランコ)、男性はシルム(韓国相撲)が定番で、以前の本欄でも、シルムについては取り上げたことがある。
これに対して、クネティギは、『春香伝』で主人公の李夢龍とヒロイン成春香の出会いの場面が有名なため、物語の舞台となった全羅北道の南原のイメージが強いが、1979年4月1日に発行された「韓国美術5000年」の切手に取り上げられた申潤福の「端午風情」(ただし、切手の表示は「端午節」)は、現在、ソウルの城北区にある澗松美術館の所蔵品なので、本欄でご紹介してもよかろう。
申潤福(号は蕙園)は、1758年、父の申漢秤を含め、代々が朝鮮王朝の図画署画員という家に生まれた。潤福自身も画員として僉節制使(従三品)の地位にまでなったが、首都と近隣の両班や妓生の風俗、さらには男女の秘め事などをテーマにした風俗画を数多く描きすぎたことを咎められ、図画署を追われたといわれており、その没年などはわかっていない。
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