◆丈夫で耐久性に優れた「韓紙」◆
「和紙 日本の手漉和紙技術」が、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産として正式に登録されることが決まった。
日本における製紙技術は、一般に、西暦7世紀、高句麗から渡来した僧・曇徴によってもたらされたとされている。
韓紙も和紙も、本来は楮を主原料としている。また、手漉きの紙の漉き方は、簀桁と呼ばれるスクリーンで紙料液(原料を溶いた液)をすくい、縦横に動かし繊維を絡みあわせて紙を作る〝流し漉き〟と、紙料液を簀桁の上に溜め、水分が自然に落ちるのを待つ〝溜め漉き〟の2種類に大別されるが、流し漉きの製法で作られるのは基本的に和紙と韓紙のみである。
したがって、これだけみると、韓紙こそが和紙のルーツであると考えがちだが(実際、そのように説明している韓国人は少なくない)、話はそう単純ではない。
和紙の場合、流し漉きで漉いた紙は原則として1枚のみを完成させれば完成品となる。
つづきは本紙へ