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2015/01/30

<トピックス>私の日韓経済比較論 第48回 経済成長率の見通し                                                    大東文化大学 高安 雄一 教授

  • 大東文化大学 高安 雄一 教授

    たかやす・ゆういち 1966年広島県生まれ。大東文化大学経済学部社会経済学科教授。90年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、00年在大韓民国日本国大使館二等書記官、00~02年同一等書記官。内閣府男女共同参画局などを経て、07~10年筑波大学システム情報工学研究科准教授。

  • 私の日韓経済比較論 第48回 経済成長率の見通し

    出航を待つコンテナ

◆韓国は望ましい成長軌道にある◆

 2015年が始まったが、今年の韓国の経済成長率がどのようになるか気になるところである。定番ではあるが、政府、KDI、韓国銀行の成長見通しを見てみよう。一番強気であるのはやはり政府である。

 政府見通しを取りまとめている企画財政部は、財政も所管していることから、税収を低く見積もり歳出を抑えるため、低めの成長率を出す傾向があると考えられる。

 他方、低い成長率を見通し過ぎると、政府は景気を下支えするためのマクロ経済政策を打たないのかといった批判が予想される。

 15年の予測は、どちらかといえば批判回避に重点を置き、マクロ経済政策をしっかり行うことを前提とした若干高めの成長率を示したと思われる。次にKDIであるが、こちらは3・5%と見通している。昨年の実績見込値が3・4%であるので、昨年並みの成長にとどまるといった予測である。最後に韓国銀行は3・4%の成長を見込んでいる。


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