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2015/05/22

<トピックス>私の日韓経済比較論 第52回 日韓中FTA締結は可能                                                    大東文化大学 高安 雄一 教授

  • 大東文化大学 高安 雄一 教授

    たかやす・ゆういち 1966年広島県生まれ。大東文化大学経済学部社会経済学科教授。90年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、00年在大韓民国日本国大使館二等書記官、00~02年同一等書記官。内閣府男女共同参画局などを経て、07~10年筑波大学システム情報工学研究科准教授。

◆包括的かつ高いレベルにこだわり不要◆

 2012年11月に日韓中FTA交渉の立ち上げが宣言された。それから2年半経った15年4月には、第7回日韓中FTA交渉会合が開催されたが、未だ交渉の枠組みも決まらない状況である。

 日韓中FTAの交渉立ち上げ宣言に先立つこと半年、12年5月、韓中間でFTA交渉の立ち上げが宣言されていた。そして14回の交渉を経て、14年11月に交渉が妥結し、15年2月には韓中FTAが仮署名された。

 最終的な自由化率は、韓国は品目数基準で92・2%、輸入額基準で91・2%、中国は品目数基準で90・7%、輸入額基準で85・0%となったが、韓国側から韓中FTAを見ると、これまで締結した主要FTAの中では自由化率が低い。

 韓中FTAにおいては、韓国は農産物の自由化を回避し、繊維についても中小企業が影響を受けると予想される品目について自由化を見送った。また中国も、鉄鋼や化学について国内産業の影響を最小限に抑えるべく、自由化除外品目を十分に確保した。


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