ここから本文です

2015/04/03

<トピックス>切手に見るソウルと韓国 第54回 慶尚南道・鎮海の風景印                                                   郵便学者 内藤 陽介 氏

  • 郵便学者 内藤 陽介 氏

    ないとう・ようすけ 1967年東京都生まれ。東京大学文学部卒業。日本文芸家協会会員、フジインターナショナルミント株式会社・顧問。切手等の郵便資料から国家や地域のあり方を読み解く「郵便学」を研究。

  • 切手に見るソウルと韓国 第54回 慶尚南道・鎮海の風景印

    桜の木の形の枠の中に軍港と日本海海戦記念塔がデザインされた鎮海の風景印

◆1931年使用開始、軍港と日本海海戦記念塔描く◆

 本紙が発行される頃には、東京の桜は散り始めているかもしれないが、例年、東京よりも1週間ほど開花が遅い韓国の桜はちょうど見ごろの時期になっているだろう。

 韓国で桜の名所といえば、軍港の町として知られる慶尚南道の鎮海が有名だ。1904年2月、日露戦争が勃発すると、日本海軍は鎮海湾一帯を掌握し、湾の南に位置する巨済島に拠点を築いた。翌1905年の日本海海戦に際しては、鎮海湾は日本海軍の艦隊集結地となる。

 こうした経緯を経て、1910年にはじまる日本の統治下で、現在の場所に鎮海軍港の建設が始まった。


つづきは本紙へ