◆朴槿惠大統領友人の娘 名門大不正入学に怒り、進まない「教育改革」◆
友人による国政介入疑惑により朴槿惠大統領の支持率が5%にまで下がり、なかでも若年層の支持率は0%になっている。
これは小さな時から絶えず競争にさらされてきた若年層の不満が、友人の娘が名門大学に不透明な選抜により入学したことにより爆発した結果であるといわれている。
韓国の若者間の競争は、単線的でかつ一発勝負的であることにより、その過酷さが増している。韓国の若者の多くは、有名大学に入学して、大企業のホワイトカラーとして就職することを目標に置いている。大企業のホワイトカラーが目標とされる理由は、経済学の観点からは大企業と中小企業間の賃金格差にある。
2015年8月の「経済活動人口調査雇用形態別付加調査」によれば、同じ正規職であっても、中小企業の3カ月平均の月給は大企業の63・4%に過ぎない。また社会学の観点からは、大企業が選好される理由は職業威信にある。すなわち、職業の選好度を表す数値を順位づけすると、大企業のホワイトカラー職は上位に位置づけられる。
一方、日本においても同様の傾向はあるものの、韓国ほど選好が単線的でないとした研究がある。韓国では、大企業のホワイトカラー職はそれほど多いわけではないなか、多くの若者がこれを目指すため当然のことながら競争は激しくなる。競争の第一の関門は大学入試である。
目標達成のためには、できる限り上位の大学に入学することが必要であるが、そのためには、大学入試という一発勝負を勝ち抜かなければならない。日本では、大学まで直結している小学校、中学校、高校があり、大学受験を回避することもできる。
しかし、韓国では大学の入学が保障されている付属校はなく、大学入学試験に合格する必要がある。さらに、一部の特殊目的校などを除き、高校まではレベルが平準化されており、他の学生より抜きん出るためには塾での学習が不可欠である。ただでさえ高校になると課外学習により遅くまで学校での勉強を行う。その後に塾に通うわけであるので、学生本人にかかる時間的な負担は大きい。
大学入試の次に待ちかまえる関門は就職試験である。大学に入学して楽しいキャンパスライフを満喫できるかと思いきや、就職に備えて、学業成績、英語能力、インターンといったスペックを揃えることが必要となってくる。
これほど苦労しても、大企業に入学できるとは限らず、卒業後しばらく就職試験の準備をする、あるいは公務員試験や資格試験の勉強をする若者も少なくない。
「経済活動人口調査青年層付加調査」によれば、大卒だけに限るわけではないが、2016年には、学校卒業後、最初の就業まで平均で1年程度かかり、2年以上かかる者も16%にのぼっている。
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