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2018/09/28

<トピックス>私の日韓経済比較論 第83回 住宅市場安定対策                                                  大東文化大学 高安 雄一 教授

  • 大東文化大学 高安 雄一 教授

    たかやす・ゆういち 1966年広島県生まれ。大東文化大学経済学部社会経済学科教授。90年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、00年在大韓民国日本国大使館二等書記官、00~02年同一等書記官。内閣府男女共同参画局などを経て、07~10年筑波大学システム情報工学研究科准教授。

◆総合不動産税の税率アップは効果疑問◆

 政府は9月13日「住宅市場安定対策」を公表した。この対策の冒頭に書かれた最近の住宅市場の動向と評価では、全国の住宅価格は安定的に推移しているものの、ソウルの住宅価格は7月から上昇幅が拡大しているとされている。

 またこの要因としては、過剰流動性の下で住宅価格が上昇する期待感から売り物件が減少し買い手市場が続くなか、投機需要が増えていることを指摘している。そして、実際に住宅を住むために買う人々が更なる価格上昇を恐れ買い急いでいるともされている。政府は不動産に対する投機を抑制し不動産価格を安定させるために対策を打ち出した。

 今回の住宅市場安定対策の目玉は総合不動産税の強化である。総合不動産税は盧武鉉政権時の2005年に導入された比較的新しい税である。

 導入当初である2005年1月には、課税標準が5・5億㌆以下は1・0%、5・5億㌆超過45・5億㌆以下は2・0%、45・5億㌆超過については3%の税率が適用された。その後、2005年12月31日に若干の強化がなされたが、李明博政権時の2008年12月には大幅な緩和が行われた。

 具体的には、6億㌆以下は0・5%に、6億㌆超過12億㌆以下は0・75%に税率が引き下げられ、従来の最低税率であった1・0%は12億㌆超過50億㌆以下に課されるようになった。そして、50億㌆超過94億㌆以下は1・5%、94億㌆超過は2・0%となり、最高税率が3%から2%にまで引き下げられた。

 しかし今回の住宅市場安定対策では、3億㌆以下は0・5%に維持されるが(ただし、住宅を3件以上保有する者、あるいは調整対象地域に2件所有する者は0・6%。以下、同じ)、3億㌆超過6億㌆以下は0・7%(0・9%)、6億㌆超過12億㌆以下は1・0%(1・3%)、12億㌆超過50億㌆未満は1・4%(1・8%)、50億㌆超過94億㌆以下は2・0%(2・5%)、94億㌆超過は2・7%(3・2%)に税率が引上げられる。今回示された案のとおりになれば最高税率は盧武鉉政権時代の3・0%を上回ることとなり、思い切った課税強化となる。

 今回、住宅市場安定対策が策定された理由として、ソウルの住宅価格が上昇していることが挙げられているが、実際にソウルの住宅価格はそれほど急激に上昇しているのであろうか。確かに


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