◆支持率回復へ短期的視点で、長期的発想に欠ける財政拡大◆
文在寅政権は、コロナ対策として第6回目の補正予算の編成に着手した。東洋経済日報(21年6月11日)によれば、昨年は4回の補正予算を編成し、4回の合計で66.8兆㌆の規模に達した。そして今年に入り、3月には14.9兆㌆の補正予算を編成し、今回は15~30兆㌆の規模の補正予算が編成される見込みであるとのことである。
コロナ禍は経済に大きな影響を与えており、特に今回は、外食産業をはじめとした零細事業所が大きな打撃を受けている。しかしながら、韓国の景気は回復傾向にある。コロナ禍以前である19年10~12月期の韓国のGDP(実質:15年基準、季節調整済)は、468.8兆㌆だったが、これがコロナ禍の影響が最も深刻であった20年4~6月期には448.2兆㌆にまで低下した。19年10~12月から4.4%低い水準である。
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