ここから本文です

2021/09/24

<トピックス>私の日韓経済比較論 第109回 韓国銀行の金利引き上げ                                                   大東文化大学 高安 雄一 教授

  • 私の日韓経済比較論 第109回 韓国銀行の金利引き上げ                                                   大東文化大学 高安 雄一 教授

    たかやす・ゆういち 1966年広島県生まれ。大東文化大学経済学部社会経済学科教授。90年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、2000年在大韓民国日本国大使館二等書記官、00~02年同一等書記官。内閣府男女共同参画局などを経て、07~10年筑波大学システム情報工学研究科准教授

◆景気回復局面で高評価できる政策◆

 日本と韓国の経済については、日本が優れている点、韓国が優れている点、それぞれあるが、8月26日に行われた韓国銀行の利上げは、韓国の金融政策が日本より優れていることを示しているといえる。韓国銀行は、政策金利である基準金利を0.50%から0.75%へと0.25㌽引き上げた。2018年11月以来、2年9カ月ぶりのことである。

 現在の韓国の景気は回復傾向にあるものの、まだコロナ禍による景気腰折れリスクが払拭できない状態である。その中での利上げであるが、将来に景気が悪化した場合に備え、景気が回復傾向となったらいち早く金利を引き上げ、金融政策の余地を広げることは、中央銀行として適切な措置であるといえる。


つづきは本紙へ