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2021/10/08

<トピックス>切手に見るソウルと韓国 第130回 ハングルの日                                 郵便学者 内藤 陽介 氏

  • 切手に見るソウルと韓国 第130回 ハングルの日                                 郵便学者 内藤 陽介 氏

    ないとう・ようすけ 1967年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。日本文芸家協会会員、フジインターナショナルミント株式会社・顧問。切手等の郵便資料から国家や地域のあり方を読み解く「郵便学」を研究

  • 切手に見るソウルと韓国 第130回 ハングルの日                                 郵便学者 内藤 陽介 氏

    ハングル500年の記念切手(1946年10月9日発行)

 10月9日は、大統暦世宗28年(=正統11年、西暦1446年)9月、世宗が『訓民正音』を公布したとの『世宗実録』の記録を根拠とした〝ハングルの日〟だ。

 いまから75年前、解放後まもない1946年10月9日には、ここから起算して、米軍政下の南朝鮮(大韓民国はまだ発足していない)でハングルの文字票を描く〝ハングル500年〟の記念切手も発行されている。

 ちなみに、北朝鮮では朝鮮語を表記するための文字は〝チョソングル〟ないしは〝ウリグル〟と呼んでおり、ハングルが作成された世宗25年12月(日付不明)が西暦でほぼ1444年1月に相当することから、1月の中間の日である1月15日を記念日としている。

 さて、朝鮮語を表記するための独自の文字は、古くは〝諺文〟の通称で呼ばれていたが、それが〝ハングル〟の名で呼ばれるようになったのは、日本統治時代の1912年以降のことで、その由来は〝偉大なる文字〟の意味とも、〝韓の文字〟の意味ともいわれている。

 その後、1921年に結成された朝鮮語研究会(現ハングル学会)は、1927年に雑誌『ハングル』を刊行し、さらに翌1928年に〝ハングルの日〟を制定(1926年以来、ハングルの覚え歌である「カギャコギョ」にちなんで行われていた〝カギャの日〟から改称)するなどして普及活動に努めたことから、しだいに諺文よりもハングルの呼称が定着していった。


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