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2021/11/12

<トピックス>切手に見るソウルと韓国 第131回 韓国の尿素水不足                                 郵便学者 内藤 陽介 氏

  • 切手に見るソウルと韓国 第131回 韓国の尿素水不足                                  郵便学者 内藤 陽介 氏

    ないとう・ようすけ 1967年、東京都生まれ。東京大学文学部卒業。日本文芸家協会会員、フジインターナショナルミント株式会社・顧問。切手等の郵便資料から国家や地域のあり方を読み解く「郵便学」を研究

  • 切手に見るソウルと韓国 第131回 韓国の尿素水不足                                  郵便学者 内藤 陽介 氏

    2013年に発行された『ロボカーポリー』の切手

 韓国で(高品位)尿素水が不足して深刻な問題になっているという。

 ディーゼル車は馬力・トルクがあり、燃費が良いというメリットがある反面、排出ガスによる大気汚染が深刻というデメリットがあり、現在の排ガス規制をクリアするためには、ガスの有害物質を除去しなければならない。

 排出ガスに含まれる窒素酸化物などを無害化するためにはアンモニアが有効だが、アンモニアは可燃性が高く、そのまま車に積み込むのは危険である。そこで、アンモニアを無色・無臭にして常温での保存が可能な液体、〝尿素水〟に加工して、排出ガスを浄化するシステムがディーゼル車には搭載されるようになった。

 したがって、尿素水が不足すると、この排ガス浄化のシステムが十分に機能させられず、ディーゼル車の使用に大きな支障が生じる。

 韓国では、物流の主軸を担うトラックや産業用ダンプトラックだけでなく、消防車やパトカーなどの緊急車両でもディーゼル車の占める割合が高いため、尿素水不足でディーゼル車が使えなくなると、物流面だけで一日3000億㌆もの損害が予想されており、国民生活に与える打撃は計り知れないものがある。

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