一部の懸念をよそに9月の輸出は12%の伸びを記録し、好調だった。内需がわずかながら悪化しているうえ、米国によるイラク攻撃の可能性など不安要因がぬぐいきれないなか、輸出が韓国経済のけん引役を果たせるのか。輸出がこのまま成長を続ければ年末の貿易収支は当初の予想より多い100万ドルの黒字を記録する見込みだが、自動車の輸出に陰りがみられるなど楽観視できない状況だ。
産業資源部が1日発表した9月の貿易統計(速報、通関ベース)によると、輸出は140億2000万ドルに達し、前年同期に比べ12・6%増加した。7月以降3カ月連続で二ケタの伸びを続け、5月以降4カ月ぶりに140億ドルを突破するなど、世界の景気低迷にもかかわらず輸出は好調だ。
輸入は前年同期比11・1%増の130億2000万ドルで、原資材の輸入増加率が初めて二ケタの15%の伸びを記録した。原油は単価が上昇するも、導入量の減少で例年水準の17億566万ドルにとどまった。消費財の輸入が相変わらず伸びており、上昇率は25%を超えている。
先月の輸出が好調だったのは、昨年9月の輸出実績が大幅に悪化した反動と受け止められている。昨年9月以降、韓国の輸出は月間120億ドルラインにとどまり、前年同月比で17―20%減と不振が続いた。しかし、今年に入り、月間の輸出実績は130億―140億ドルラインで推移し、産業資源部は、第4四半期(10―12月)も月間135億―140億ドルの輸出を維持すれば、二ケタの成長が達成できるとし、輸出力はまだ落ちていないと分析している。しかし、貿易協会などがまとめた調査結果をみると、下期の輸出展望は決して明るくない。
まず主力品目の自動車の輸出に早くも赤信号が灯っている。自動車の先月の輸出は主要品目のうちで唯一マイナス成長(2・8%減)を記録した。昨年9月の指標が高く、また先月は秋夕の連休で稼働日数が減ったなどの要因はあるが、マイナス成長という結果が輸出全体に暗い影を落としている。
半導体も34・9%の伸びを示したが、昨年9月の輸出不振の反動によるもので、今後の展望は暗い。半導体価格(128メガDRAM基準)は1個あたり2ドルラインで下落傾向にあり、液晶表示装置(LCD)価格(15インチモニター基準)も237ドルから217ドルに落ちている。