韓国銀行は25日、「第3四半期(7-9月)実質GDP(国民総生産)速報値」を発表、期間中の経済成長率は4・4%を記録したと明らかにした。これは昨年第3四半期以降、1年ぶりに最も高い数値であり、景気回復が本軌道に乗ったことを窺わせるものだ。
成長を押し上げたのは、民間消費回復と輸出増大。民間消費は2002年第4四半期(10-12月)以来、最も高い4・0%の伸びを示した。大型テレビ、コンピューター、自動車などの耐久消費財と医療保険、通信、文化娯楽などのサービス支出が増加した。一方の商品輸出は13・5%の伸びを示した。今年に入って2ケタの伸びは初めてだ。さらに設備投資も4・2%と1年ぶりに最も高い増加率となった。
韓銀では、民間消費と輸出が好調であり、当初予定した通り下半期(10-12月)4・5%、年間3・8%の経済成長は無難に達成できるとみている。
だが、GDP数値上は景気が上向いているが、景気回復を実感できないのも現実だ。事実、GDI(国民総所得)を見ると、期間中に0・2%しか伸びていず、過去5年間で最も低い水準となっている。
GDIはGDPに輸出入価格(公易条件)の変化による貿易損失を加えた概念だ。輸出価格が落ち輸入価格が上がれば交易条件は悪化し、国民が消費や投資できる財源はそれだけ減る。輸出で得た所得の相当部分が海外に流れるからだ。より具体的にみると、例えば、自動車100台を輸出して機械1台を輸入してきたのが、200台を輸出して機械1台を輸出できなければ、明らかな損害だ。
この貿易損失が期間中に12兆6000億ウォンと過去最大を記録した。1-9月の累計では33兆ウォンに達する。
体感景気が悪いのはこのせいだったのである。交易条件の悪化は原油価格の高騰、半導体などIT製品のし輸出価格下落が大きな要因であり、この傾向は当分続くとみられている。このため、体感景気の回復には時間がかかりそうだ。